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坂本、圧巻の後半連続3回転 連続五輪へ「一発で決めたい」 全日本フィギュア

2021/12/23 21:40

 北京冬季五輪代表最終選考会を兼ねたフィギュアスケートの全日本選手権は23日、さいたまスーパーアリーナで開幕した。女子ショートプログラム(SP)は坂本花織(シスメックス、神院大)が79・23点で首位に立ち、樋口新葉(明大)が74・66点で2位。三原舞依(シスメックス、甲南大)は73・66点で5位につけた。

 跳ね馬を思わせる躍動感だった。女子の坂本が国際スケート連盟非公認ながらSPで自己ベストを上回る79・23点をたたき出し、大混戦の上位勢からただ一人抜け出した。

 圧巻というほかはない。1カ月ほど前に熱が出て、3日ほど食事もできないほど寝込んだ体とは思えない。全てのジャンプで大幅な加点を引き出し、スピンとステップも最高難度をそろえた。

 白眉は最後のフリップ-トーループの連続3回転だ。SPで連続ジャンプは一つ。後半に入れれば得点が1・1倍になる半面、失敗すればリカバリーできないリスクを負うが、「後半に入れることは譲れない」。攻めの姿勢を貫き、豪快なジャンプを決めてみせた。

 コーチ陣は、坂本を「フェラーリ」によく例える。一度エンジンが掛かれば爆発的なエネルギーが生まれる。「動けば動くほど(氷上でも)動けるタイプ」(坂本)と、演技の数時間前からアリーナ外周を走り込んだ。

 シニア1年目の勢いでものにした平昌五輪。挑戦者だった17歳と変わらないのは「やるべきことをしっかりやる」ということ。変わったことは、4年間で培ってきた地力と自信だ。「優勝して一発で(五輪を)決めたい」。21歳となった坂本には、その力が十分にある。(山本哲志)

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