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フィギュアスケートの全日本選手権で演技をする坂本花織選手=2021年12月25日、さいたまスーパーアリーナ
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フィギュアスケートの全日本選手権で演技をする坂本花織選手=2021年12月25日、さいたまスーパーアリーナ
神戸新聞NEXT
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 2月4日の開幕まで1週間を切った北京冬季五輪。兵庫県からもフィギュアスケートの女子に坂本花織選手(シスメックス、神戸学院大3年)、ペア種目に三浦璃来(りく)選手(木下グループ、宝塚市出身)が出場する。冬季五輪の花形とも言えるフィギュアスケートだが、ジャンプの種類やルールをきちんと知れば、もっと楽しめる。観戦講座に、しばしお付き合いを。(山本哲志)

▼ジャンプの踏み切りに注目

 まずは、五輪3連覇を狙う羽生結弦(ゆづる)選手や坂本選手らのシングル種目から。

 何と言っても目を引くのは、華やかで迫力あるジャンプ。全部で6種類あり、初心者でもすぐ判別できるのは、唯一前を向いて跳ぶアクセルくらいだろう。記者も苦労した(今も完璧とは言えない)。ポイントは跳び上がる瞬間の足元。つま先を突いたか、脚がハの字になっていたか-などだ。今はインターネットにスロー映像もあるので、掲載図や説明を参考に見比べると分かりやすい。

▼4回転アクセル得点低い?

 ジャンプは技の難度に応じた基礎点が決まっており、「いかにきれいに決まったか」を各ジャッジ(審判)が、プラス5点からマイナス5点までの11段階で判定する。ジャッジ全員がプラス5点なら基礎点の50%が上乗せされ、全員がマイナス5点なら50%が引かれる。ジャッジの点数によって、その割合は変わる。この加減が出来栄え点(GOE)だ。

 昨年12月の全日本選手権で優勝した坂本選手が、フリーで跳んだ2回転アクセル(基礎点3.3点)を例にしてみよう。

 持ち前の豪快なジャンプに、ジャッジ5人が満点の5点、残り4人は4点を付けた。ジャッジ9人のうち最高点と最低点を除いた7人の平均値を取るため、平均は4.57点なので基礎点の45.7%(1.51点)が加わり、技の得点は計4.81点となる。

 ちなみに羽生選手が挑んでいる前人未到のクワッドアクセル(4回転半)はどうか。基礎点は12.5点と最も高いが、次に高い4回転ルッツとの差は1点。一方で着氷が乱れれば、GOEは大きく減点されてしまう。ただ、羽生選手は4回転半を「最終目標」と断言しており、北京五輪で超大技を決められるかに注目が集まる。

▼坂本選手は表現力にも磨き

 ジャンプやスピン、ステップなどの「技術点」に、豊かな表現力を示す「演技構成点」を加えるのが、フィギュア独特の採点ルール。演技構成点は「スケート技術」「技のつなぎ」「演技力」「プログラム構成」「音楽の解釈」の5項目をそれぞれ10点満点で評価し、その合計に女子フリーなら1.6倍、男子フリーなら2倍したものが実際の得点になる。

 坂本選手の4年間の成長はここにも表れている。平昌(ピョンチャン)五輪切符をつかんだ2017年全日本選手権のフリー演技は、5項目とも8点台だったが、昨年12月の全日本選手権のフリーは全て9点台。トリプルアクセルや4回転の大技はなくても、磨き上げてきた演技の完成度で日本女子のエースの座を手にした。

▼今大会カップル種目も強い

 最後に、ペアとアイスダンスのカップル種目について。男女2人で滑るのは同じだが、一番の違いはジャンプがあるかどうか。

 ペアは単独ジャンプに加え、男性が女性を放り投げる「スロージャンプ」などアクロバティックな技が見どころ。アイスダンスは「氷上の社交ダンス」と呼ばれるように芸術性が高い。

 五輪に初出場する三浦選手は、木原龍一選手とのペアで急成長した。145センチと小柄な身長を生かし、持ち上げられるリフトの高さやダイナミックさも魅力。国際大会で2大会連続表彰台を経験し、北京でもメダルを狙う。

 まずは大会前半に行われる団体戦。日本勢の活躍から目が離せない。

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