2回戦でケルディヨロワに敗れ、肩を落とす日本代表・阿部詩=シャンドマルス・アリーナ
2回戦でケルディヨロワに敗れ、肩を落とす日本代表・阿部詩=シャンドマルス・アリーナ

 パリ五輪第2日の27日、柔道女子52キロ級の阿部詩(パーク24)は2回戦で敗れ、五輪2連覇を逃した。

 「まさか」以外の言葉が思いつかない。柔道女子52キロ級の阿部詩が2回戦で一本負け。取材ゾーンでスタッフは「取材を受けられる状態ではない」と説明した。

 開始2分過ぎ、第1シードのウズベキスタン選手に内股を決め、技ありを奪うも3分過ぎだった。足技を仕掛けたところ重心が背中側に傾き、抱えられるように谷落としを食らった。

 しばらく畳の上でうずくまり、顔を手で隠しながら引き上げた。女子日本代表の平野コーチ(兵庫県警)の胸に顔をうずめ、背中をさすられるも、その場にしゃがみ込み、動けない。会場からは「ウタ」「ウタ」のコールと拍手。出口に向かって歩き出し、平野コーチの口は「大丈夫」と動いているように見えた。

 今大会はノーシードのため、1回戦から登場。カナダの出口ケリーを開始57秒、大外刈りで仕留め、会場のどよめきと大きな拍手を引き出す最高のスタートを切ったが、まさかの結末が待っていた。 

 「プレッシャーでパフォーマンスが落ちることは絶対ない」と話していたが、これが五輪の魔物か。国際大会の連勝は46でストップした。金メダルの獲得は兄一二三に託された。(有島弘記)

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