横浜M-神戸 前半19分、古巣相手に先制点を挙げ、控えめに両手を挙げる神戸のエリキ(中央)=横浜市、日産スタジアム
横浜M-神戸 前半19分、古巣相手に先制点を挙げ、控えめに両手を挙げる神戸のエリキ(中央)=横浜市、日産スタジアム

 明治安田J1リーグ第13節最終日の21日、ヴィッセル神戸は敵地の日産スタジアム(横浜市)で横浜F・マリノスと対戦し、エリキと大迫のゴールで2-1で競り勝った。2連勝を飾り、8勝3分け5敗の勝ち点27とした。横浜Mはクラブワーストを更新する7連敗となった。

 またも背番号10が試合を決めた。神戸は17日のG大阪戦で2得点を挙げた大迫が、頭で2戦連続の決勝ゴール。「タイトルを取るためにシーズンを戦っている」との言葉通り、3連覇に向け力強く連勝に導いた。

 「相手のメンタルが下がる」(吉田監督)と主眼を置いた先制点は前半19分、前線に抜け出したエリキが奪った。しかし前半終了間際、かつてない不振に陥る名門に4戦ぶりのゴールを許し、同点とされた。

 それでも後半6分、扇原の左からのFKに、弱点として狙っていた遠いサイドで大迫が相手のマークを外し、頭をぴたりと合わせた。「練習通り素晴らしいボールを上げてくれて、いいタイミングで入れた」。前半に手から流血したが、気にするそぶりもなくプレーを続行し、気迫で決めきった。

 相手は3年前に神戸が味わったような降格危機に直面するが、吉田監督は「優勝できるだけの個の力があり、歯車が狂っているだけ」と警戒していた。G大阪に3得点で競り勝った17日と同様の戦い方をテーマに掲げ、今季初めて2戦連続で複数得点を奪った。

 古巣を相手にしたMF扇原は「勢いに乗らせないため自分たちだけに集中する」と2アシストをマーク。名門を生き返らせることなく、がっちり勝利をつかんだ。(井川朋宏)