植村直己冒険賞を受賞した(左から)山田高司さん、高野秀行さん、田中彰さん、大西良治さん=豊岡市日高町祢布
植村直己冒険賞を受賞した(左から)山田高司さん、高野秀行さん、田中彰さん、大西良治さん=豊岡市日高町祢布

 豊岡市日高町出身の冒険家、植村直己さんにちなんだ「植村直己冒険賞」の授賞式が1日、日高文化体育館(同町袮布)であった。2023年度の受賞者は、渓谷探検家の田中彰さん(51)・フリークライミングインストラクター大西良治さん(47)のペアと、探検家山田高司さん(66)・作家高野秀行さん(57)ペアの計4人。二つの冒険の同時受賞は初めてで、会場に集まった約600人はそれぞれの冒険談に耳を傾けた。(吉田みなみ)

 田中さんと大西さんは2022年11月~23年3月、ヒマラヤ・アンナプルナ山群にある深さ400メートル以上の大地の裂け目「セティ・ゴルジュ」を下り、人類初の踏査に挑戦。地層を克明に記録して科学史上に貢献した。山田さんと高野さんは18~23年、イラクで独自の文化を育んできた広大な湿地帯「アフワール」で4度の現地調査を敢行。人々の暮らしや技術、伝統などを調べ、書籍を出版した。