地域に学生が入ったことを契機に昨年復活した広尾東の夏祭り=加古川市志方町広尾(ため池みらい研究所提供)
地域に学生が入ったことを契機に昨年復活した広尾東の夏祭り=加古川市志方町広尾(ため池みらい研究所提供)

 加古川市志方町東部の広尾東地区、83戸の農村集落に、県立大や神戸大の学生らが入り、住民と交流を続けている。2023年から始まった農村の課題解決を目指す「ため池アクション」だ。地域に若者が出入りするのに触発され、住民らは昨年、コロナ禍以降中断していた夏祭りを復活。今年は8月10日開催予定で、男子学生5人が夏祭りをプロデュースするという。1年間で学生が入れ替わるプログラムだが、継続して地域に関わり「ファンクラブ」を立ち上げる学生も出てきた。(増井哲夫)

 6月中旬、集落の広尾東公民館で夏祭りの第1回実行委員会があった。住民10人とテーブルを囲んだのは、ため池アクション3期生の学生たちだ。県立大1年小坂凌生(りょう)さん(18)ら2人は盆踊りの参加者を増やすアイデアを発表。「昨年は踊れる人が少なくて寂しかった」との声を聞き、練習会開催を提案した。

 「昔は練習してたなあ」と懐かしがる住民たち。小坂さんらは、お盆で帰省する子どもや孫にも参加してもらうため、当日も開きたいとアピールした。「練習を通して交流が増え、祭りをもっと楽しんでほしい」という学生の思いに応えるべく、住民も景品の用意など知恵を出した。

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