中国、台湾・台湾海峡、日本
 中国、台湾・台湾海峡、日本

 【ワシントン共同】米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)は7月31日、中国による台湾の海上封鎖を想定した机上演習結果をまとめた報告書を公表した。大半のシナリオで台湾へのエネルギーなどの補給が難航。米軍の介入で中国との軍事衝突に容易に発展し、日米と中国にも甚大な被害をもたらす可能性があると警告した。

 机上演習は、2028年に中国の沿岸警備隊などが台湾周辺の海域を封鎖する事態を想定。台湾の反応や米中両軍の関与の度合いに応じ、シナリオを26通り設定した。

 軍事衝突の程度が低いシナリオの一つとして、合計数千人単位の死傷者が出る可能性があると指摘。米中の大規模な軍事衝突に発展した場合、中国による在日米軍基地への攻撃などで死傷者が日本で約4600人、米国で約2万1千人、台湾で約3千人、中国で約1万3100人に上るシナリオもあった。

 全てのシナリオで、台湾は天然ガスの備蓄を約10日間で使い果たす。補給がなければ石炭や石油も7~20週間程度で枯渇。米国が介入した場合、補給は維持できると分析した。