兵庫県議会の松井重樹県議(71)=無所属=が、事実と異なる内容で政務活動費(政活費)を申請し、受け取ったとして、返還と辞職の意向を示していることが分かった。宿泊費や交通費で計約180万円分。23日、各会派代表者の会議で説明した。県職員と会う名目で前泊費用を申請したものの、実際には会っていなかったという。

 松井氏は8月の議会で、斎藤元彦知事が繰り返す「真摯に受け止める」との言葉を取り上げて「真摯に答える、真摯に答える。これを心神喪失と言うんだなと周囲で笑い飛ばしている」と発言。松井氏によるとこれ以降、政活費に関する問い合わせがメールで寄せられるようになった。

 公開されている政活費の報告書には、県職員の名前を挙げて「レクチャー」と記載。松井氏は記者団に、面談は「あったかもしれないし、なかったかもしれない」と釈明した上で「人の名前までさらしてしまった。責任を取って辞職する」と語った。