【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)は26日、加盟国へのロシアの無人機(ドローン)などによる領空侵犯が相次いだことを受け、早期覚知などの対応強化が柱の「ドローンの壁」構築に向けた初の国防相級協議をオンラインで開催した。

 26日の協議はEUで防衛問題を担当するクビリウス欧州委員が主導し、ウクライナに隣接する4カ国、バルト3国、フィンランド、ブルガリア、デンマークの計10カ国が出席。親ロシアのオルバン首相が率いるハンガリーは当初、加わらない予定だったが、26日になって一転参加を決めた。ロシアの侵攻を受けるウクライナも参加し、無人機対策の知見を共有した。

 「ドローンの壁」はフォンデアライエン欧州委員長が10日の施政方針演説で提唱。レーダー網の拡充などは早期に実現できるとみられるが、迎撃時に戦闘機から発射される高価な空対空ミサイルなどではなく、安価な無人機に見合った迎撃態勢を構築するには、時間がかかるとみられている。