兵庫県警察本部=神戸市中央区
 兵庫県警察本部=神戸市中央区

 兵庫県警は2日、東芝グループの「姫路東芝電子部品」(同県姫路市)から光センサー部品製造用の金型データを持ち出したとして、不正競争防止法違反(営業秘密開示など)の疑いで元社員浅田賢一容疑者(57)=同市東今宿=と、中国籍のコンサルティング会社社員滕春雨容疑者(47)=同市東今宿=ら計3人を逮捕した。

 県警によると、持ち出されたデータが中国にある精密機械メーカーに流出していたことをメール解析などで確認。姫路東芝電子部品からは計約2千件のデータが流出したとの相談があり、県警が被害の全容を調べる。

 3人の逮捕容疑は共謀し2022年12月28日、営業秘密の金型データ5件をコピーし、滕容疑者が勤める会社にメールで送信した疑い。この会社は金型製造関連のコンサルティングを手がけており、浅田容疑者の妻が代表取締役を務めている。県警は3容疑者の認否を明らかにしていない。

 姫路東芝電子部品が製造に関わる光センサーは、光を利用し物体の有無や位置を判別する性能があり、プリンターや内視鏡、自動運転システムなどに用いられるという。