国の物価高対策として自治体が住民に配る「おこめ券」は金券扱いのため、物流業者が配送する場合は紛失トラブル防止で原則手渡しになりそうだ。玄関先などへの置き配はできず、再配達が増えることになる。物量増加や人手不足が深刻化する業界では負担増への懸念が広がり、「デジタルで配布できるものを選ぶようにできないのか」と不満の声が上がる。
おこめ券は鈴木憲和農相がコメ価格高騰への対策として提唱。16日に成立した2025年度補正予算で2兆円を計上した重点支援地方交付金の使い道として、政府が自治体に活用を促す。農水省によると数十の自治体が配布を検討している。山梨県や福井市などが配布を決めた一方、福岡市や広島県廿日市市など配布しない方針を表明した自治体もある。
東京都台東区は政府に先駆け、区の予算で1世帯4400円分のおこめ券を配布した。10月下旬から12月中旬にかけ、日本郵便の簡易書留か佐川急便の宅配便を利用した。対象の約14万世帯のうち、再配達もできずに返送されたのは1、2割にも上った。























