農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県つくば市)などの研究チームは、イネの開花時刻を制御する遺伝子を特定した。イネは高温で受粉障害を起こし、コメが実らなくなることがある。そのため、この遺伝子を変異させ、開花を涼しい時間帯に早め、温暖化が進んだ環境でも安定生産につなげることができるという。

 チームによると、高温による受粉障害は今のところ国内では確認されていない。10年後をめどに実用化を目指す。

 イネは通常、7月下旬~8月の午前10時~正午ごろに開花する。この時間帯に目安として35度以上の高温にさらされると、受粉障害が起き始める。さらに高い気温になると収穫量に影響するという。受粉障害では、雄しべの先で花粉が入る「葯」が開かないため受粉ができず、コメが実らない。農研機構などは2015年、通常より約2時間早く開花するイネを品種改良で開発していたが、関与する遺伝子を特定できていなかった。

 今回の研究では、通常のイネと開発したイネとで、遺伝子を構成する「塩基」の配列を比較。配列が違っている部位を特定した。