中小企業と取引する地方自治体の「価格転嫁」の動きが鈍い。中小企業庁は物価上昇に合わせ契約価格を率先して引き上げるべきだと主張。幹部は「賃上げに水を差す」と不満顔で是正を迫る。自治体側には入札や予算執行といった「官公庁」ならではの事情から困惑の声もある。
国が57・8%、都道府県は50・6%、市区町村だと45・7%-。中企庁は6月、中小企業が人件費や原材料費といったコスト増加分を契約価格に反映できた割合を公表した。発注者別に国と自治体を分けて調べたところ、市区町村は国より10ポイント超も低く、価格転嫁に応じない自治体の姿勢が浮き彫りになった。
国や自治体の業務発注を意味する「官公需」は、地域に根差した企業の業績や地元経済の動向に直結する。中企庁は適正価格による発注が中小企業の賃上げを促すと訴えており、市区町村の対応を問題視。立場の弱い受注者側の企業から意見を聞き取ろうと、全ての市区町村に取引先企業のリスト提出を要請した。
対象は約15万社に及ぶが、年度内の結果公表を目指し作業が進む。























