「将来に不安があった」。元裁判官の被告(32)は、かつて座っていた法壇を見つめながら、そう声を落とした。同僚から「真面目で優秀」と評されていた裁判官はなぜ、出向先で知った情報を基にしたインサイダー取引に手を染めてしまったのか。法廷で垣間見えたのは、エリート街道を走っていた被告が抱えていた「心の隙間」だった。(共同通信=助川尭史、木下リラ)
「将来に不安があった」。元裁判官の被告(32)は、かつて座っていた法壇を見つめながら、そう声を落とした。同僚から「真面目で優秀」と評されていた裁判官はなぜ、出向先で知った情報を基にしたインサイダー取引に手を染めてしまったのか。法廷で垣間見えたのは、エリート街道を走っていた被告が抱えていた「心の隙間」だった。(共同通信=助川尭史、木下リラ)