新年早々に災害に見舞われた人たちの胸中は察するに余りある。
1日午後4時10分ごろに石川県能登地方で起きたマグニチュード(M)7・6の地震では、最大震度7が観測され、家屋倒壊などで多数の死傷者が出ている。兵庫県内をはじめ北海道から九州の広範囲でも揺れを記録した。気象庁は能登地方に一時、大津波警報を発表し、輪島港で1・2メートル以上を観測した。兵庫県北部にも津波警報が出された。
その後も震度5強などの地震が断続的に続く。石川県輪島市では大規模な火災が発生し、ビルが倒壊するなど被害が深刻だ。他の自治体でも建物の崩壊が相次ぎ、生き埋めになった人がいる。停電や断水が生じ、道路も各地で寸断され、孤立している住民も多い。救出活動を急がねばならない。政府は自治体と連携し、被害状況の把握と迅速な復旧、被災者の支援に全力を尽くしてほしい。
気象庁によると、能登地方では2020年12月ごろから群発地震が続いており、22年6月には震度6弱と5強、23年5月には震度6強の地震が観測されている。今回の地震はエネルギーが昨年5月より桁違いに大きく、一連の群発地震で最大級となる。気象庁は、今後も1週間程度は最大震度7程度の地震への注意が必要と呼びかけている。
心配なのは地震活動がなお活発な上、被災地に雨が予想されていることだ。損壊した建物が崩れたり、地盤が緩んだりする二次災害の恐れがある。寒さの影響も気がかりだ。
能登の地震は、断層が縦方向にずれ動く「逆断層型」とみられる。岩盤が上下に動くため海水を押し上げたり、引き下げたりする力が強く、津波を引き起こす恐れが高い。今回も地震発生直後から2日にかけ、北海道から九州の日本海側の広い範囲で津波が観測された。
政府の調査や研究者らの分析では、能登半島の地下深くに大量の水を含んだプレートが沈み込んでいる。岩石から分離した水が地盤を膨張させたり、岩盤の隙間に入り込んだりして地殻変動を起こし断層がずれ、地震が起きやすくなると考えられるという。群発地震は数年間続くとの見方もあり、長期化に備えた防災、減災対策を講じる必要がある。
17日で発生29年となる阪神・淡路大震災以降、日本列島ではいつ、どこで地震が起きてもおかしくないとされる。南海トラフ地震など広域災害も頭をよぎる。「想定外」をなくして備える大切さを徹底したい。
「防災は貯蓄」と言われる。国や自治体の対策強化は当然必要だが、住民も住まいの耐震化や避難方法の確認など、身近な備えを積み重ねる努力が欠かせない。
























