高市早苗首相は、23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散すると表明した。総選挙は27日公示、2月8日投開票の日程で実施される。解散翌日から16日間での投開票は戦後最短となる。
首相は会見で解散理由について、自民党と日本維新の会による連立政権の枠組みや「責任ある積極財政」などの是非を挙げ、「高市早苗が首相で良いのかどうか、国民に決めていただく」と語った。
多くの国民が物価高に苦しむ中、首相は就任以来、2026年度当初予算案の早期成立を最優先し、経済対策を急ぐ姿勢を強調してきた。唐突な解散で年度内成立は困難になり、国民生活に支障が出かねない。
なぜ今政治空白をつくるのか。人気の衰えないうちに自民の議席を増やしておきたいという党利党略ばかりが目立ち、解散の大義について説明を尽くしたとは言い難い。
首相に求められるのは、国民の暮らしに目を向けた政策を着実に進めることだ。信を問うのなら、有権者に十分な判断材料を示す責任がある。
維新との連立合意は、安全保障関連3文書の前倒し改定など前回衆院選では公約に掲げていなかった「国の根幹にかかわる重要政策の大転換」となる。だが、政権発足から約3カ月で、中身の具体化はこれからだ。
看板とする積極財政は、財政膨張を連想させ、金融市場で物価高の要因となる円安を進行させている。長期金利は2・2%台に上昇し、国債の利払いが増加する可能性が高まる。
会見では、昨年の参院選で否定的だった消費税減税について方針を転換し、飲食料品の税率を2年間ゼロにする公約を掲げると述べた。年間約5兆円の税収減をどう埋めるのか。
政権を巡っては、新たな問題も浮上している。首相が代表の党支部が政治資金規正法の上限を超える企業献金を受け取っていた。維新では地方議員が国民健康保険料の支払いを免れる「国保逃れ」が発覚した。自民と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係や裏金問題にも決着がついていない。
信頼回復への努力を惜しむようでは、国民に審判を仰ぐ資格はあるまい。























