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 大地震の後にさらに大きな地震が起きる恐れがあることを忘れてはならない。最初の揺れが去っても、警戒を緩めないことが大切だ。

 20日午後4時52分ごろ、三陸沖を震源とするマグニチュード(M)7・7の地震があり、青森県で震度5強を観測した。地震直後、北海道や青森、岩手両県に津波警報が出され、最大80センチの津波が到達した。18万人超に一時、避難指示が出た。

 地震は千島海溝・日本海溝沿いの巨大地震の想定震源域で起きた。気象庁はより大きな地震の可能性が相対的に高まったとして、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表した。昨年12月以来、2回目となる。

 注意情報の対象は北海道から千葉県の7道県182市町村に及ぶ。発表から1週間程度は社会経済活動を継続しつつ、津波警報が出ればすぐに避難できるよう準備するほか、家具の固定や非常用持ち出し品の確認などの対応が求められる。

 この情報が出ても大規模な後発地震が必ず起きるわけではなく、国や自治体は事前避難は求めない。内閣府によると、7日以内にM8以上の地震が発生する確率は「100回に1回程度」とされ、過度に敏感になる必要はない。冷静に日常生活を過ごし、不必要な買いだめに走ったり、偽情報や誤情報を拡散したりしないよう、十分に気を付けたい。

 後発地震注意情報は、M9の東日本大震災の発生2日前に三陸沖でM7級の地震が起きていたことなどから導入された。だが、制度そのものを知らない人も少なくないだろう。不安をあおることなく、国や自治体は適切な情報提供に努めてほしい。

 国の被害想定では、冬の深夜に日本海溝でM9級の地震が起きれば、死者は最大約19万9千人、千島海溝では同約10万人に上るとされる。だが高台への速やかな避難によって、死者数を約8割減らせると見込んでいる。甚大な被害を可能な限り抑える努力が欠かせない。

 重要なのは、注意情報を減災につなげることである。

 一昨年夏、ほぼ同趣旨の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が出された際には、イベント開催や交通機関の運行を巡り、自治体や企業から「どう対処すればいいのか」と疑問が相次いだ。教訓を踏まえ、内閣府はとるべき行動指針を改定した。国は丁寧な説明に努め、自治体は発災時の初動体制や避難所となる施設の再点検などが求められる。

 1週間が経過しても、後発地震の可能性がなくなるわけではない。他地域の住民にとっても人ごとではない。現在の科学では地震予知は困難との前提に立ち、備えを徹底する必要がある。