サッカー女子のWEリーグで、INAC神戸レオネッサが4季ぶり2度目の優勝を果たした。ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で3日にあったAC長野パルセイロ・レディース戦で、司令塔のMF成宮唯選手の折り返しにFW吉田莉胡(りこ)選手が頭で合わせて先制するなど5-1で大勝した。その結果、16勝2分け2敗、勝ち点50で2位以下を退け、本拠地に駆けつけたサポーターを歓喜させた。創設25年の節目での見事な王座奪還に拍手を送りたい。
3季続けてリーグ2位だったチームは今季、新たに就任した宮本ともみ監督の下で「失点を防ぐより、得点をどれだけ取るか」という攻撃的なサッカーを追求してきた。宮本監督はWEリーグ初の女性優勝監督となった。1年目でチームを頂点に導いたその手腕に驚かされる。
INAC神戸は2001年に誕生した。なでしこリーグでは、ワールドカップ(W杯)優勝メンバーの澤穂希選手らを擁し、11年からリーグ3連覇を果たした。21年に発足した女子プロのWEリーグでも初代女王に輝いた。女子サッカー界をけん引してきた名門チームである。
返り咲きを託された宮本新体制が掲げたスローガンは、点火を意味する「Ignition(イグニッション)」だった。その言葉通り、選手らは熱い心で試合に臨んだ。リーグ戦で勝ち星を積み重ね、第47回皇后杯全日本女子選手権でも、元日に東京・MUFGスタジアム(国立競技場)で行われた決勝の舞台に立った。惜敗して皇后杯は逃したが、タイトルへの思いを強めた。
攻撃の要となったのは、ちふれASエルフェン埼玉から新加入した吉田選手と日本代表の成宮選手だ。両選手は得点、アシストランキングでそれぞれリーグ1位となる活躍を見せた。DF三宅史織主将やGK大熊茜選手らの存在感も光った。
スポーツの枠を超えて注目されるのが、サッカーと育児を両立する道を切り開いた宮本監督の足跡だ。現役選手として長男を出産後も日本代表でプレーした。当時、日本サッカー協会がシッターを雇い、制度化される端緒になった。監督の仕事にも子育ての経験が生きると話す。
阪神・淡路大震災の記憶を継承するチームの取り組みも特筆すべき点だろう。被害や復興、防災を真摯(しんし)に学ぶ選手たちから、地域とともに歩もうとする姿勢が伝わってくる。
リーグ名のWEは女性の社会進出を意味する「Women Empowerment」に由来する。この優勝をきっかけに兵庫・神戸で女子サッカーがさらに盛り上がり、地域の活性化や女性の社会進出にもつながることを期待したい。























