中道改革連合と立憲民主党、公明党の3党が合流を断念した。中道は立民系と公明系に事実上分裂し、衆院の野党第1党の立場を失う。高市政権に対抗する「リベラル勢力」を結集する試みは約7カ月で挫折し、「自民1強」の様相が一層強まる。
政策の違いに目をつぶり、選挙協力に走ったものの、有権者に受け入れられず、求心力を失った。想定された結末とはいえ、重要法案がめじろ押しの秋の臨時国会に向け、政権監視機能の弱体化が懸念される。
最大の要因は2月の衆院選での大敗である。中道は1月、保守色を強める高市早苗首相への反発から連立政権を離脱した公明と、衆院野党第1党の立民が合流して結党した。立民、公明に残った参院議員や地方組織も後で合流する構想だった。
だが衆院選で中道は結党時勢力を大幅に下回り、公明出身者28人と立民出身者21人の計49人に縮小した。旧公明側が比例代表で全員当選したのに対し、旧立民側は有力議員が小選挙区で多数落選した。来春の統一地方選、再来年の参院選を控え立民側の不満が高まるのは当然だろう。
政策の不一致も露呈した。中道の結党に伴い、立民は「違憲部分の廃止」を訴えてきた集団的自衛権の行使を含む安全保障関連法を「合憲」とし、原発の再稼働や米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設も認めた。先の特別国会では、女性・女系天皇を認めない皇室典範改正に中道と公明が賛成、立民は反対した。3党の合流協議でもこうした溝を埋める議論を尽くそうとする姿勢はうかがえなかった。
衆院選で中道が得た比例票は1000万票を超え、リベラル勢力の結集に期待した有権者は決して少なくない。政策の旗印を失ったままの分裂で、行き場をなくす民意があることを忘れているのではないか。
中道の小川淳也代表は、統一会派を結成し国会運営での協力を続ける考えを示す。臨時国会では消費税減税や衆院定数削減の是非、防衛力増強と財政規律のバランスなど国の将来を左右するテーマが焦点となる。政策の違いを放置し、重要法案で共同歩調を取れるかは心もとない。
高市内閣の支持率は50%台を維持しているものの、発足当初からは下落傾向にある。皇室典範改正や国旗損壊罪の創設など「国論を二分」する政策を数の力で押し切る強引な政権運営も目につく。政権批判の受け皿となる勢力が見当たらなければ、政治は緊張感を失い、有権者の無関心や諦めが広がる恐れがある。
野党各党は中道の失敗を教訓に、高市政権に対峙(たいじ)する新たな結集軸を見いだす努力を続けなければならない。























