キリンビールの「晴れ風」とサッポロビールの「黒ラベル」

キリンビールの「晴れ風」とサッポロビールの「黒ラベル」

 2024年も残すところ、あと2週間あまり。様々なヒット商品が飛び交ったが、20~30代を中心とした新世代には何が刺さったのかを振り返りたい。若い世代はボリュームゾーンとしては50代以上より見劣りするが、次の消費は若い世代からの価値観が起点になり、先読みの手掛かりになる。

 24年流行した言葉の一つが「界隈(かいわい)」。趣味や推しのコミュニティーを意味するが、今では強力な結びつきというよりは、特定の分野に「緩く」属することを示すケースが目立つ。そんなわけで「新世代の界隈」を探っていく。

 年配層が好むビールだが、24年は新旧ブランドが若い層に刺さり、市場を揺さぶった。キリンビールの「晴れ風」とサッポロビールの「黒ラベル」だ。24年4月に発売した晴れ風と、ビール各社の主力ブランドでも古参の黒ラベル(1977年に発売、現ブランド名は89年から)は好対照ながら20代をひきつけた。