(7月14日公開の日経電子版から転載)

 三菱重工業は豊富な受注を業績につなげられるだろうか。発電用ガスタービンや防衛関連などグループ全体の受注残が3月末時点で過去最高の10兆円に達したものの、株式市場では「生産が追いつかないのでは」との懸念が聞かれる。そこで同社はガスタービンの生産能力を27年ごろまでに3割引き上げ、業績面のボトルネックを解消する戦略だ。

 「ガスタービンの黄金時代」--。シティグループ証券のグレーム・マクドナルド株式調査部ディレクターは現在の市場環境をこう形容する。三菱重工が積み上げた10兆円の受注残は売上収益(売上高に相当)の2年分。このうち4.9兆円とおよそ半分を大型ガスタービンを中心とするエナジー事業が占める。