岡崎慎司×兵庫 サッカーでまちおこし
阪神・淡路大震災の発生から20年を迎えた2015年。サッカーのFW岡崎慎司(スペイン・ウエスカ)は震災の記憶をたどり、故郷に思いを寄せた。
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サッカー・ドイツ1部リーグで活躍する岡崎慎司(28)=マインツ、宝塚市出身=が、阪神・淡路大震災から20年になるのを前に、被災地への思いを語った。幼少期の被災体験が現在のサッカーを通じた災害支援活動につながっているといい、1月17日にノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で開かれる「阪神・淡路大震災20年 1・17チャリティーマッチ」(神戸新聞社など主催)にも映像でメッセージを寄せる。原点となったあの時を振り返ってもらい、神戸、兵庫へ寄せる胸の内を聞いた。
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阪神・淡路大震災が起きたときは、まだ小学校低学年。自宅マンションで寝ていて、物が倒れ、子どもながらにすごく怖かった。水も出ない中、さまざまな人が助けてくれて、人のありがたみを感じた。
震災からみんなで立ち上がったというのを、自分は経験として知っている。まだ十分ではないという思いはあると思うが、みんなが協力し、この20年で復興していったことを忘れてはいけない。
高校時代にサッカー生活を送った神戸には、いつも応援してくれる人、自分を育ててくれた人がいる。神戸をはじめ、兵庫県全体が自分の故郷。自分が頑張れば兵庫が盛り上がるという気持ちはあるし、もっとサッカーで、スポーツで活気づく地域であってほしい。その大切さを自分が伝え、育った街が発展していくよう協力できればいい。
東日本大震災のときにサッカー選手として無力感があった。悩んだ末、日本人の誇りを胸に欧州で結果を出し、被災者が希望を持てるようにするんだ、という結論にたどり着いた。
実際に被災地に行ってみて、苦しい思いをしているのにどうして子どもたちは笑顔で迎えてくれるのだろうと思った。震災に負けない強さ。このパワーをなくしてはいけない。子どもたちが笑顔で夢に向かってチャレンジできるよう、環境をつくっていくべきだ。
11人でボールをつなぐサッカーには、人と人とのつながりがある。被災しても多くの人が手をさしのべ、サポートしてくれる。サッカーの仲間は大きな力になる。(まとめ・小川康介)
=年齢、所属は当時=
2020/9/22-
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