どんなに感情的になってもその手は止めません(真船佳奈さん提供)
どんなに感情的になってもその手は止めません(真船佳奈さん提供)

激しい怒鳴り合いや主張の言い合い、または夫婦どちらかが家出してしまうなど、夫婦喧嘩の形は家族によってさまざまでしょう。漫画家の真船佳奈さんがInstagramに投稿した作品『夫婦喧嘩の時、アレがとまらん』は、真船家での一風変わった夫婦喧嘩の様子を描いています。コメント欄には「尊敬する」「腹抱えて笑った」と、4,000以上のいいねが付いて注目を集めました。

真船さん夫婦は結婚5年目で、仲の良い夫婦です。しかし性格が正反対なため、いったん戦いの火蓋が切って落とされると止まりません。そんな夫婦が、真船さんのお風呂上がりのタイミングで、夫婦喧嘩を始めたところから物語が始まります。

真船さんが「うわぁぁぁん、だって夫だってひどいよ!」と言えば、夫が「すぐ泣くのやめなよ!」と応酬が続きますが、真船さんの手はしっかり導入美容液を塗り続けます。真船さん曰く、夫婦喧嘩の時もお風呂上がりの乾燥は待ってくれないからです。

「だって私だって毎日頑張ってやってんじゃん!」と真船さんの感情は大爆発している中でも、その手は顔にビタミンフェイスパックを載せているのでした。

それでも喧嘩は続きます。「もうやだ!」と泣き叫ぶ真船さんに対して「俺だって疲れるよ」と終始冷静な夫は真船さんの美容同時進行スタイルにまったく動じません。

その間も真船さんは美顔器を顔に当てながら体に保湿クリームを塗り、最後には「うわああああん、もうやっていけないよぉぉぉ」と大絶叫しながらもビタミンゼリーを摂取。35歳の美容ルーティーンを死守したい様子がヒシヒシと伝わります。

翌朝、泣いて腫れたまぶたを鏡で見て、反省だなと言いつつ「ちょっと可愛くなってるな?」と喜んでしまう様子に「良い加減にしろ」のツッコミが入るのでした。

感情は爆発しても美容の手はとめない真船さんに対して読者からは「美しさに貪欲な姿勢に尊敬」「腹抱えて笑った」「それとこれは別ですもんね」など共感と尊敬の声が多く寄せられました。そんな同作について、作者の真船佳奈さんに話を聞きました。

■我が家では 喧嘩をしないほうが不健康

ーこの話を描くきっかけを。

結婚生活も5年を超え、夫婦や家族で過ごす時間が当たり前になったのはもちろん、喧嘩も回数を重ね、慣れてきました笑。喧嘩って何度も繰り返したら夫婦ともに改善を重ねて回数は減っていくのかと思いきや、慣れてきて、さらに違うことも同時進行でできるようになるんだ…という発見があったので漫画に描きました。

35歳になってお肌もトラブルが多い時なので、どんな時でもプログラミングされたかのように普段通りのスキンケアを行う自分の両手にも驚きましたね。

ー「まぁまぁ喧嘩します!」とのことですが、仲直りのきっかけや秘訣をぜひ。

喧嘩はお互いに普段言えていない不満のチリのようなものがたまって我慢できなくなった時に起こるものだと思うので、我が家では喧嘩をしないほうが不健康だなと…。喧嘩しないほうが理想的ですけど、もうなんか風邪と仕組み的には一緒だと思っていて仲直りの秘訣も特にないんですけど、寝て食べたら翌日謝れるくらいの心の余裕も出てきます。

ーコメント欄は共感と笑いの声が多いように感じました。

わかります…というコメントに救われました。真剣に話をきいてあげなきゃ!という意見もありましたが「夫は待ってくれても肌の乾燥は待ったなしなんです」とお伝えしたら「それはそうですね」と納得してくれました。笑

ー読者にメッセージを! 

いつも漫画を読んでくださりありがとうございます!これからも夫婦喧嘩しつつも楽しい日常を漫画にできたらと思うので末永く見守ってやってください。

(海川 まこと/漫画収集家)