給料袋を受け取る様子※画像はイメージです(maroke/stock.adobe.com/)
給料袋を受け取る様子※画像はイメージです(maroke/stock.adobe.com/)

みなさんは、今の新卒社会人がどのくらいの給料を得ているのか、使い道は何なのか気になったことはないでしょうか。新卒で入社して3年以内の人を対象に「新社会人の初任給の使い道とお金への意識」に関する調査を実施した結果、初任給の額は「18~21万円未満」が最多で、手取り額については半数以上の人が「満足していない」と回答していることが明らかになりました。

投資・配当型クラウドファンディングサービス「ヤマワケ」の運営会社であるWeCapital株式会社が実施したこの調査は、2025年4月に、1004人を対象として実施されました。

新卒で入社して3年以内の人に「初任給はいくらだったか、3年目の場合は入社当時を思い出して回答してください」と質問したところ、以下のような回答を得られました。

・15万円未満(8.7%)
・15~18万円未満(23.1%)
・18~21万円未満(33.1%)
・21~24万円未満(23.0%)
・24~27万円未満(8.1%)
・27~30万円未満(1.7%)
・30万円以上(2.3%)

次に、「初任給の使い道」について尋ねたところ、1位は「両親や家族へのプレゼント(46.9%)」、2位が「生活費(40.0%)」3位は「自分へのご褒美(39.9%)」でした。回答の詳細と主な理由は、以下のとおりです。

・【両親や家族へのプレゼント/自分へのご褒美】焼肉を両親にご馳走した(20代/女性/徳島県)
・【生活費/奨学金の返済】生活費や奨学金の返済など、生きていくのに必要なことに使った(20代/女性/広島県)
・【両親や家族へのプレゼント/貯金】家族にケーキを買った(20代/女性/福岡県)
・【両親や家族へのプレゼント/自分へのご褒美】就職祝いをくれた親戚にお礼の品を買う(20代/女性/神奈川県)
・【両親や家族へのプレゼント】父親に服を買ってあげた(20代/男性/東京都)

多くの若者が「両親への感謝」を優先しています。家族や育ててくれた両親への感謝の気持ちを述べる人が多いことがうかがえます。

また、「生活費」と答える人も少なくありません。この結果に対し、調査会社は「一生懸命働いて得た初任給を生活維持のために充てざるを得ない現実を映している」と述べています。「自分へのごほうび」の次に「貯金」が入っているのも納得といえます。

次に、「現在の手取り額で、毎月の生活費は足りているか」と尋ねました。

・「余裕がある(貯金や趣味にも十分回せる)(19.5%)」
・「なんとか足りている(十分ではないが、困ることはない)(45.0%)」
・「ギリギリ足りている(節約しないと厳しい)(23.9%)」
・「不足している(節約しても厳しい)(11.6%)」

この結果に対し、調査会社は「給与水準と生活費とのバランスが、若手社会人にとって極めてシビアな状況である」と捉えています。

また、「現在の手取り額に対する満足度」を尋ねたところ、以下のような結果が得られました。

・とても満足している(11.4%)
・やや満足している(36.3%)
・あまり満足していない(36.0%)
・まったく満足していない(16.3%)

調査会社は、「近年の物価上昇に対して賃金が追いついていない実状が『不満』という形で表面化している」と考えています。また、「SNSなどで他者の生活水準を目にする機会が増えていることも、自身の給与に対する期待値を引き上げている一因かもしれない」とも捉えています。

では、現在の手取り額に満足している/していない理由についてはどうなっているのでしょうか。それぞれの理由については以下のとおりです。

【とても満足している/やや満足している】
・貯蓄も十分にできるから(20代/女性/千葉県)
・給料相応の仕事量だと感じているから(20代/女性/千葉県)
・新卒の割にはかなりの額をもらっていると思う(20代/男性/埼玉県)

【あまり満足していない/まったく満足していない】
・毎月の生活費、奨学金やローンの返済で綺麗になくなってしまうため(20代/女性/広島県)
・労力と割に合わない(20代/女性/石川県)
・将来を考えると足りないから(20代/男性/兵庫県)

満足している人の理由として、主に「貯金も十分にできている」「給料相応の仕事量だ」といったものが挙げられます。一方、満足していない人の理由は、「労力と割に合わない」「将来を考えると不安」などが多いことがわかりました。

最後に、「2年目以降の税金・社会保険料の控除」について尋ねたところ、56.9%の人が「高いと感じる」と答えたことがわかりました。調査会社は、額面とのギャップによる心理的なハードルが、多くの若手社会人に「思っていたよりも少ない」と感じさせるのだろうと述べています。このような状況の中で、将来の金銭面についてはどう感じているのでしょうか。

若手社会人に対し、「金銭面において、現時点で最も不安に感じることは?」と聞いてみました。結果は、「貯金ができない(28.9%)」が1位、「生活費の増加(23.6%)」が2位、「老後の資金不足(19.2%)」が3位でした。このデータから、収入と支出のバランスが取れず、今後どのように人生設計をすればいいか悩む人が多いことがうかがえます。

【出典】
WeCapital株式会社:「新社会人の初任給の使い道とお金への意識」に関する調査