かたくなに日傘を拒否する夫…!
かたくなに日傘を拒否する夫…!

気象庁発表の3か月予報によれば、8月から10月にかけての平均気温は、全国的に平年より高くなると予想されています。各地で猛暑日が続き、熱中症のリスクは高まるばかり。そんな中で注目されているのが「日傘男子」の増加です。最近ではメンズをターゲットとした機能性とデザイン性を兼ね備えた日傘も増え、百貨店やスポーツブランドの売り場では男性の姿も珍しくなくなりました。

とはいえ、日傘に対して根強い偏見を持つ人がいるのも事実。島根県在住の主婦・T香さん(40代)は、夫の“ある言動”に思わずモヤモヤしてしまったといいます。

■かたくなに「日傘」を拒否する夫

「いつも出かけるときに私が日傘をさしていると、夫が必ず『そんなのいらないよ。女の人って何でも大げさだな~』って言うんです。荷物になるとか、邪魔だとか、何かと小言ばかりで…」

真夏の直射日光の下を歩いているのに、夫は無防備なまま。水分もあまり摂らず、注意しても「俺は暑さに強い」と根拠のない自信を持っているタイプだったといいます。

そんなある日、夫婦で屋外型のショッピングモールに出かけた際、思わぬ出来事が起こりました。偶然、夫の勤め先の上司夫妻とばったり鉢合わせたのです。

「奥さまも綺麗に日傘をさしていたんですけど、驚いたのはご主人の方。シンプルでかっこいい日傘をサッと広げていて。それを見た瞬間、うちの夫の態度がガラッと変わったんです」

話を聞くと、ご主人が愛用している日傘は遮光・遮熱効果が高く、折りたたみができて軽量。しかも紫外線カット率100%と聞いた瞬間、「へえ~!それ、めちゃくちゃいいですね!」と、目を輝かせて聞き入っていたとのこと。それを見て内心呆れかえっていたT香さんですが、その翌週、さらに脱力することになってしまいます…。

■翌週、夫が見せてきたものは

「見て見て~、買っちゃった!」そう得意げに話しかけてくる夫の手には…なんとその上司とほぼ同じモデルの日傘が握られていました。

「届いたときには『男でも使えるデザインなんだよ』『めっちゃ涼しいなコレ!』と、ドヤ顔で部屋の中でさしていました。つい先週まで日傘をかたくなに拒否していた人とは思えませんでしたよ(笑)」

夫の華麗な手のひら返しに、怒るというよりただただ苦笑してしまったT香さん。

「私が何度言っても鼻で笑っていたのに、上司が使っていたら即採用。“誰が言ったか”で判断するって、小さい人だな、と思いました」

そう言いながらも、T香さんはその場でしっかり「仕返し」をしたのだそうです。

「日傘をさして得意げにしてる夫に、『あれ?前まで、そんなの必要ないって言ってなかったっけ? 私が勧めたときはバカにしてたのに、上司が使ってたら急に欲しくなるんだね~』って、ニコッと笑って言ってやりました」

すると夫は気まずそうに笑いながら、「いや…本当ごめん。T香の話をちゃんと聞いとけばよかったな」とポツリ。ようやく自分の態度を反省した様子だったとか。

T香さんは、「まあ、謝ってくれただけマシかなって思います(笑)。私の言葉にしっかり耳を傾ける気になってくれたなら、それでよしです」と締めくくられました。

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人はつい、「誰が言ったか」で態度を変えてしまいがちです。けれど本当に大切なのは、その言葉の中身や、そこに込められた相手の思いやりに気づけるかどうか。見た目や性別にとらわれず、柔軟に考えをアップデートしていくことが、これからの時代にはますます大切になっていくはずです。

そして、猛暑が当たり前になった今、日傘は女性だけのものではありません。自分の身を守るための道具として、誰でも堂々と使っていい。暑さへの備えに性別の垣根なんていらないのです。

「何を言うか」も大事。「誰が言っても」耳を傾けられる自分でありたい。そんな意識ひとつで、暮らしの中のモヤモヤが少し軽くなるのかもしれませんね。

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▽【出典】気象庁 3か月予報(2025年7月22日発表)