プロ野球オリックスや米大リーグで活躍したイチローさん(51)と神戸の高校生が語り合うトークセッションが6日、神戸市中央区の神戸新聞松方ホールで開かれた。スーパースターの熱い言葉に約530人が聞き入った。
■「18歳のヒントになれば」とイベント実現
阪神・淡路大震災から30年の今年1月、イチローさんが日米野球殿堂入り。神戸市が市民の祝福メッセージを届けたいと打診したところ、「人生の岐路に立つ18歳のヒントになれば」と高校3年生6人との対話イベントが実現した。
将来教員になりたいという須磨学園高の男子生徒(17)は「人に伝える際に気をつけていること」を質問。イチローさんは自身の経験の中から言葉を紡ぐようにしているとし、「頭に詰め込んだものだけでなく、失敗やむちゃも含めていろいろ経験した上での言葉は響くはず」とアドバイスした。
人生のピンチや対処法を聞いたのは神戸高専の男子生徒(18)。イチローさんは高校2年生春の交通事故をきっかけにイップスでうまく投げられなくなったといい、「あのままだったら今のイチローはない。克服できた自分に自信が持てた」と振り返った。
神戸への変わらぬ愛着や近年交流を続ける女子野球発展への思いも語ったイチローさん。最後に「どんどん興味の扉を開けていって、自分の夢を形にしてほしい」と若者たちにエールを送った。(山本哲志)