野田阪神~南巽間を結ぶOsaka Metro千日前線
野田阪神~南巽間を結ぶOsaka Metro千日前線

大阪・関西万博のメインルートのひとつがOsaka Metro中央線です。万博会場の最寄駅である夢洲駅と大阪市中心部を結ぶ路線ですから、当然と言えば当然です。一方、万博の行き・帰りで役立つ路線がOsaka Metro千日前線です。千日前線は中央線や御堂筋線と比較すると地味な存在ですが、意外な利用法を発見しました。

■千日前線の概要

千日前線は野田阪神駅と南巽駅を結び、中央線とは阿波座駅で乗り換えられます。野田阪神~桜川間は大阪市西部を南北に走り、桜川~新深江間は阪神なんば線や近鉄奈良線と並行。新深江駅から南に進路を変え、大阪市生野区の南巽駅に至ります。

千日前線はワンマン運転の4両編成で運行されています。中央線が6両編成ですから、同じ大阪市を東西に結ぶ路線であっても、千日前線と中央線の間には輸送人員に差があります。

参考までに国土交通省が発表した2024年度の最混雑時間1時間あたりの最混雑区間の輸送人員を見ると、中央線が約18,000人(森ノ宮→谷町四丁目)に対し、千日前線は約8,600人(鶴橋→谷町九丁目)となります。

■夢洲駅からなんば駅へは千日前線一択

夢洲~なんば間のアクセスは千日前線・中央線利用(阿波座駅経由)が便利です。なんば駅から平日午前10時に夢洲駅に着く経路を調べると、千日前線・中央線利用が27分、御堂筋線・中央線利用(本町駅経由)が29分です。運賃は共に430円だからです。

また、御堂筋線はOsaka Metroのドル箱路線なので、終日混雑しています。混雑回避という観点からも、千日前線は役立つ路線なのです。

参考までに、南海なんば駅発万博会場行き直行バスの所要時間は約30分、運賃は1,500円です。

また、阪神大阪難波駅からOsaka Metro中央線九条駅経由ですと、運賃が600円となり、千日前線・中央線利用よりも割高になります。

■梅田方面への意外な利用方法

一方、万博から梅田方面へのアクセスでは、千日前線は利用しづらい路線といえます。夢洲駅から梅田へは中央線・JR大阪環状線経由(弁天町駅経由)、中央線・御堂筋線経由(本町駅経由)が挙げられます。

ところが、万博会場内を21時頃に退場し、夕食を済ませていない場合、千日前線が役立つことを発見しました。

万博会場内を21時頃に出発すると、JR大阪駅・Osaka Metro梅田駅には22時頃に着きます(中央線利用)。22時になると、駅直結の大型商業施設にある飲食店は閉店時間を迎えます。また、23時閉店の飲食店も多いです。

JR大阪駅・梅田から東梅田の繁華街へは徒歩10分ほど。疲れ切った足には少し堪える距離です。

万博会場から梅田までのルートにあるコスモスクエア駅や弁天町駅はどうでしょうか。まず、コスモスクエア駅周辺は飲食店は少ないと言わざるを得ません。

弁天町駅周辺はコスモスクエア駅周辺より飲食店はあるものの、大手ファーストフード店は多くありません。

そこで、おすすめしたいのが千日前線玉川駅です。玉川駅はJR大阪環状線野田駅に乗り換えられます。玉川駅周辺は弁天町駅周辺と比較すると、深夜営業の飲食店や大手ファーストフード店が充実しています。また、JR野田駅から大阪駅へは約5分です。

ところで、千日前線を利用せず、弁天町駅からJR野田駅(JR大阪環状線経由)というコースも存在します。

夢洲→野田(弁天町駅経由)、夢洲→玉川(阿波座駅経由)の所要時間はどちらも20分強です。一方、運賃は前者が530円、後者が380円です。また、混雑度は夢洲→玉川(阿波座駅経由)の方が圧倒的に低いです。

私は夢洲→玉川(阿波座駅経由)コースを実際に試しました。万博会場を退場したのは21時頃。阿波座駅から混雑に巻き込まれることなく、玉川駅から徒歩数分で大手ファーストフード店に入り、時間に急かされることなく夕食を食べ、ひと息ついてから神戸に帰れたので、本当におすすめしたい万博からの帰宅コースです。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)