6月29日より、Osaka Metro中央線、ニュートラムのコスモスクエア駅と大阪・関西万博会場西ゲート(夢洲第1交通ターミナル)を結ぶバスが運行されています。運行期間は万博最終日の10月13日まで。
実際に乗車し、コスモスクエア駅~万博西ゲート間のバス便の役割を考えました。
■万博東ゲートと西ゲートで異なる役割
ご存知のとおり、Osaka Metro中央線の夢洲駅は、万博会場東ゲートの最寄駅です。東ゲートへの公共交通機関は事実上、Osaka Metro中央線しかなく、東西シャトルバス(東ゲート~西ゲート)以外にバスは乗り入れていません。
一方、西ゲートは、ゲート前にある夢洲第1交通ターミナルにバスが乗り入れ、東ゲートとは異なった役割を果たしています。西ゲートの最寄駅は、JRゆめ咲線の桜島駅です。同駅からは、シャトルバスが運行されています。
なお、コスモスクエア駅は、Osaka Metro中央線とニュートラムの接続駅です。同駅は、1月19日の夢洲延伸まで中央線の終着駅でした。
■Osaka Metro中央線との接続が肝
万博は入場前に、入場時間と入場ゲートを指定します(8月1日時点)。混雑度は東ゲートと西ゲートで異なり、一般的に西ゲートが低いと言われています。
東ゲートが混雑する要因のひとつが、中央線の利便性の高さです。中央線はOsaka Metroで唯一、ニュートラムを含むOsaka Metroの全路線と接続する路線です。さらに、近鉄けいはんな線に乗り入れ、生駒駅で近鉄奈良線・生駒線に接続します。中央線は奈良県から夢洲への足としての機能も果たしています。
一方、コスモスクエア駅~万博西ゲート便の開設まで、西ゲート~Osaka Metroの駅間のアクセスは「便利」とは言えませんでした。一応、大阪駅・なんば駅~西ゲート便はありますが、本数は多くなく、予約必須です。また、大阪駅・なんば駅バス停からOsaka Metroの駅まで、一定距離があります。そのため、コスモスクエア駅~万博西ゲート便は、万博西ゲートと大阪市内間のアクセスを大幅に向上させた路線といえます。
コスモスクエア~万博西ゲート便も本数は1時間あたり2~3本と多くはありません。ただし、コスモスクエア駅発7時台~11時台は、1便あたり2~4台での運行です。
注意点は、予約(時間帯予約制)が必須ということ。また、他の万博シャトルバスと異なり、アプリ「KANSAI MaaS」ではなく、「大阪・関西万博西ゲートシャトルバス予約サイト」から予約します(8月1日時点)。運賃は片道350円です。
■乗車時間12分の高速バス旅
平日午前中に、コスモスクエア駅から、万博西ゲート行きのバスに乗車。前もって、コスモスクエア発10時0分の便を予約しました。コスモスクエア駅出入口からバスターミナルまでの通路では、発車時間別にレーンがつくられ、私もしばらく並ぶことに。
すると、10時前にもかかわらず、バスに案内されました。なお、乗車券にあるQRコードは、バス乗車前に係員に提示しました。バスは2列+2列シートが並ぶ高速バスタイプです。9時51分にコスモスクエア駅を発車。予約制でしたが、乗車率は8割ほどで、満席ではありません。ほとんどの乗客がスタッフではなく、万博一般来場者のように見えました。
万博西ゲート前にある夢洲第1交通ターミナルに到着したのは10時03分でした。東ゲートを通り過ぎるなど、見ごたえ十分な乗車時間12分のバス旅でした。コスモスクエア~夢洲間よりは時間を要しますが、東ゲートでの待ち時間の長さを考えると、妥当な所要時間ではないでしょうか。
ところで、8月1日からはJR・Osaka Metro中央線弁天町駅と万博会場西ゲートを結ぶシャトルバスの運行もスタートしました。2005年開催の愛・地球博(愛知万博)を参考にすると、閉幕に近づくにつれ、来場者数が増えることが予想されます。来場者数の増加に伴い、今後も新しいバス便が開設されるのではないでしょうか。
(まいどなニュース特約・新田 浩之)