関西の奥座敷、有馬温泉(神戸市北区)で鎌倉時代以来の歴史を持つという有馬芸妓(ありまげいこ)がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは「一つのエレベーターに芸妓15人乗ったらこうなる。」と一枚の写真を紹介した有馬芸妓公式Xアカウント(@arimageiko)の投稿。
一つのエレベーターに日本髪の芸妓たちがぎゅうぎゅう詰め…なんとも浮世離れした風景だが、いったいどんなシチュエーションだったのだろうか?
有馬芸妓のSNS運営を担当する一晴(いちはる)さんにお話を聞いた。
ーーインパクトのあるお写真でした。
一晴:これは先日、有馬芸妓が大阪のホテルへ出張へ行った時に私が撮ったものです。
帰りのタクシーを待たせていたので急いでおり、無理かと思いましたが一つのエレベーターで意外と乗れました。エレベーターのブザーが鳴ったのですが、ホテルマンの方から「これは時間が経つと鳴るブザーなので大丈夫です」とのことでそのまま下まで降りました。
私は普段から芸妓のSNSを担当しています。15人が同時に移動することは珍しく、ネタを探していましたので思わず手を伸ばして撮りました。中はぎゅうぎゅうなので撮ったことは誰も気づいていませんでしたが…。
ーー有馬芸妓に注目が集まりました。
一晴:現在、兵庫県で芸妓がいるのは有馬のみです。入浴時の侍の刀を預かったり、温泉の利用の世話をする湯女がルーツの有馬芸妓は温泉同様、歴史が古く、当時の国家公務員的存在でした。名前を変えて今に至っています。似たような格好ですので遊郭等と混合されてしまいがちですが、そうではない文化であることや有馬芸妓ブランドを発信するためにSNSに取り組んでいます。
ーーそういう点で今回の反響は貴重ですね。
一晴:私達のお客様のほとんどがFacebook世代、またはテレビ、新聞の世代です。正直XはTwitter時代から変更されInstagram、Facebookとの同期が出来なくなってからはあまり投稿はしていませんでしたので、びっくりしました。投稿した後も気にもとめていませんでしたので、周りから「バズってるよ!」と連絡をもらって初めて気付いた感じです。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「はじっこに柄本明いそう 」
「バカ殿様の1シーンみたいになってるw」
「都内芸妓組合を持ってしても 東をどりタイミングですら なかなか観られない風景です 」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。
有馬芸妓は宴席への派遣以外にも、地域のイベント参加や芸妓カフェ「一糸(いと)」の運営など、時代に合わせた活動を展開している。ご興味ある方はぜひ公式サイトやSNSをチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)