ジムニーノマド(提供:norico by ガリバー)
ジムニーノマド(提供:norico by ガリバー)

2025年2月、予約開始からわずか4日で受注を停止したジムニーノマド。本記事では、今後の生産・納車や受注再開の見込み、またジムニーノマドを早く手に入れる方法を解説します。

■インドから逆輸入のジムニーノマド

ジムニーノマドは、ジムニーシリーズで初となる5ドアモデルです。2023年からインドで販売されており、2025年1月30日に日本での発売が発表されました。

日本向けの車両も生産はインドで行われ、逆輸入する形で販売されています。

■ジムニーノマドは予約開始から4日で受注停止に

2025年1月末に予約受注を開始したジムニーノマドでしたが、その後わずか4日で受注停止となりました。

発表当初、スズキは同車の1ヶ月あたりの販売台数目標を1200台としていましたが、4日間での受注数は約5万台。想定をはるかに上回る数字となったのです。

その後、スズキは2025年7月からジムニーノマドの月間生産台数を約3,300台にすると発表。早期の受注再開に向けて体制を整えようとしていました。

■7月下旬には1ヶ月余りの出荷停止

ところが、8月初旬にはジムニーノマド出荷停止のニュースが報じられました。実際に出荷停止となったのは7月下旬頃からで、8月下旬には出荷を再開しています。

出荷停止に関してスズキからの公式発表はありませんが、原因は「塗装に関する不具合」といわれています。ジムニーノマドは日本に到着した段階で完成検査を受けますが、ここで不具合が発見されたようです。

また、不具合であっても安全性に影響するものではないため、リコール等の届け出もなかったとみられます。

■ジムニーノマドの受注再開の目途は?

2025年9月5日現在は、受注停止前に予約したユーザーへの納車も少しずつ進んでいるようです。しかし、バックオーダーの解消や受注再開にはまだ長期間を要すると考えられます。

▽5万台分の納車完了までは約1年か

ここでは、スズキの公式発表に基づいて、単純計算で2月3日までの受注分(約5万台)の解消にかかる期間を考えます。

2月~6月に1200台ずつ、7月に3300台を生産していた場合、ここまでの生産台数は約9300台ほどです。そして、この先も1ヶ月あたり3300台前後の生産で進む場合、5万台の生産にはあと1年ほどかかります。

つまり、2月3日までに予約したユーザーでも、順番の遅い人では納車まであと1年ほどかかる可能性があります。

▽受注再開までも1年ほどか

現在までの生産ペースであれば、事前に予約したユーザーでも納車に1年余りかかる可能性があり、受注再開もこれに近い期間を要することが考えられます。

しかしながら、今後環境が整えば、スズキがさらなる増産を行うかもしれません。反対に、製造過程や輸送過程の諸問題で納期がさらに延びる可能性もあり、納車期間や受注再開の時期はまだまだ未知数です。

■ジムニーノマドを早く買うなら「中古で購入」

新車では入手困難なジムニーノマドですが、実は中古で購入することが可能です。その殆どは、初度登録され、かつ使用や運行に供されていない登録済み未使用車です。

登録済み未使用車の場合、色やオプションを自分で選ぶことはできません。しかし、売れ筋のボディカラーや人気オプションを備えた車両が販売されていることも多いです。また、生産済みの車両なので納期はわずか2週間~1ヶ月程度と短いです。

▽ただし車両価格の高さがネック

一刻も早くジムニーノマドを手に入れたい人であれば、中古での購入はおすすめです。しかし、コスト面では慎重に検討を行いましょう。

登録済み未使用車は中古車扱いのため、通常は新車より少し安く販売されます。しかし、ジムニーノマドは現状として中古車市場での取引価格が高く、支払総額400万円前後の車両が多いです。新車価格は265.1万円~275万円(乗り出し価格は300万円前後)なので、オプション装備もよく確認して検討しましょう。

■なかには「シエラで充分」という声も

ジムニーノマドは5ドアで後部座席へのアクセスが良好になり、積載量も増えますが、なかには「ジムニーシエラで充分では」という声もあります。

▽居住性や乗り心地に違い

【ジムニーノマド】
・全長:3890mm
・全幅:1645mm
・全高:1725mm
・ホイールベース:2590mm
・車両重量:1180-1190kg

【ジムニーシエラ】
・全長:3550mm
・全幅:1645mm
・全高:1730mm
・ホイールベース:2250mm
・車両重量:1070-1090kg

ジムニーノマドとジムニーシエラは、5ドアと3ドアの違いで上記のように全長やホイールベースが異なります。搭載エンジンは共通です。

ホイールベースが長いからこそ、ジムニーノマドは車内の居住性に優れ、ジムニーシエラより直進安定性も増しています。また、ボディ剛性を高めているので静粛性も高いです。しかし、乗り心地に関してはシエラより硬い印象で、特に後席では段差で突き上げ感を感じることも多いです。

▽小回りやハンドリングもシエラは優秀?

ジムニーシエラはノマドより小型ですが、だからこその良さもあります。

たとえば、両者の最小回転半径を比べると、ノマドは5.7m、シエラは4.9mです。狭い道も多い日本だからこそ、シエラの小回りの良さは重宝します。また、ハンドリングのキレに関しても、大きな差はないと言えど、車重の軽いシエラに軍配が上がります。

ジムニーシエラは新車の納期も比較的短く、中古車も一定の流通量があります。装備なども比較しながら、双方で検討すると良いでしょう。

■さらに他の選択肢を考えるなら?

この他に、思い切ってジムニーノマドやシエラ以外のモデルを選ぶ選択肢もあります。たとえば、中古車で見た場合には以下のような車種が考えられます(カッコ内は2025年9月5日時点の中古車相場)。

・スズキ「ジムニー」:約50万円~300万円
・トヨタ「FJクルーザー」:約200万円~440万円
・ジープ「レネゲード」:約100万円~320万円
・ジープ「コンパス」:約100万円~350万円
・ジープ「ラングラー」:約170万円~900万円

ジムニーノマドを購入した場合、乗り出し価格は300万円前後と考えられるため、この価格を参考に検討すると良いでしょう。

■納期と予算を踏まえて検討を

ジムニーノマドは多くのジムニーファンが待ち望んでいた5ドアモデルですが、まだまだ新車での入手には時間がかかりそうです。予算と納期を踏まえて「他の選択肢はどうか」「中古で買う価値はあるか」と検討してみてください。

(まいどなニュース/norico)