2014年の日本シリーズ、阪神-ソフトバンク第5戦。歓喜に沸くソフトバンクナインを制止するように、ベンチから飛び出して猛抗議する阪神・和田豊監督(右端)
2014年の日本シリーズ、阪神-ソフトバンク第5戦。歓喜に沸くソフトバンクナインを制止するように、ベンチから飛び出して猛抗議する阪神・和田豊監督(右端)

 プロ野球の日本シリーズは25日から、みずほペイペイドーム(福岡市)で開幕し、2年ぶりにセ・リーグを制した阪神タイガースとパ・リーグ連覇の福岡ソフトバンクホークスが対戦する。両者の頂上決戦での顔合わせは2014(平成26)年以来11年ぶり。最初の対決は1964(昭和39)年で、続く2003(平成15)年も互いにリーグ覇者同士の立場で激突。今回で両チームの顔合わせは4回目で、昭和、平成、令和の3元号にまたがっての対戦となる。過去3度はいずれもソフトバンク(前身の南海、ダイエー時代を含む)が勝利をつかんでいる。阪神にとっては4度目の挑戦で、ソフトバンクを破って日本一となるか注目が集まる。(宮崎真彦)

 因縁深い両チームだが、ソフトバンクの前身、南海軍がプロ野球に参入する背景に、阪神の「サポート」が大きく作用したことはあまり知られていない。

 野球殿堂博物館(東京都)によると、1934年12月に、全日本チームを中心とした大日本東京野球倶楽部(現巨人)が誕生。36年に東京巨人、大阪タイガース、名古屋(現中日)、阪急(現オリックス)などの7球団によるプロ野球のリーグ戦(日本職業野球連盟)が始まった。

 南海軍が誕生したのは2年後の38年。関西のプロ野球文化に詳しく「南海ホークスがあったころ」などの著作がある関西大社会学部教授の永井良和教授(65)=兵庫県尼崎市出身=によると、関西私鉄の阪急、阪神が乗客を奪い合う競合関係からスポーツ人気の高まりに乗じてプロ野球に参加した一方、路線が競合しなかった南海は「当初、プロ野球参入に腰が引けていた」状態だったという。