クマとバッタリ会わないための行動とは…※画像はイメージです(Marc Scharping/stock.adobe.com)
クマとバッタリ会わないための行動とは…※画像はイメージです(Marc Scharping/stock.adobe.com)

近年深刻化しているクマによる人身被害。秋田県の鈴木健太知事は、自身のインスタグラムで「県内全域でクマによる人身被害が続き、きわめて深刻な状況となっております」などと呼び掛け、「人身被害のピークは10月」と県民に一層の警戒を求めた。

■10月がピーク!人身被害の発生状況

秋田県は2020年度~2024年度までの98件108人の自身被害をまとめた結果、クマ被害は「10月」にピークを迎える傾向が明らかになっています。被害の発生状況としては、以下の特徴が挙げられています。

▽どの時間帯でも被害が発生
特定の時間帯に限らず、あらゆる時間帯で被害が発生しています。特に多かったのは夕方、朝方、9~12時の時間帯ですが、いつでも注意が必要です。

・15時~18時: 23件(最も多い)
・6時~9時: 21件
・9時~12時: 20件

▽日常の活動中に被害に遭うケースが多い
被害に遭った状況としては、農作業や日常の活動(ゴミ出し、新聞配達、施設点検、通学中、散歩中など)が多くを占めています。

▽「音」を適切に出していない事例が約95%
被害に遭われた方のうち、鈴やラジオなどの音のなるものを所持していない、または所持していたが使用が不適切だったケースを合わせると、約95%という結果でした。被害は人の生活圏に近い場所で発生しており、「ここでは音出しは必要ない」と考えていた方も少なくないといいます。

■基本的な遭遇対策を徹底しよう!

県としても、新しい法令による有害駆除の能力強化、やぶの刈り払い、各施設等へのクマ除けスプレーの配置などを行っている他、生息頭数をカメラトラップ法により調査しています。また中長期的な共生を図るため、県内各市町村を通じてゾーニングを設定するために調査をしているとのこと。知事は「もはやクマの生息域に人間が侵入しているのではなく、クマが完全なる人里に出てきている異常事態」としています。

外出を控えるわけにもいかないものの、特に今秋は「いつでも・どこでも・誰でも」クマに遭遇する可能性があるため、県民に対し基本的な遭遇対策の徹底を強く求めています。

▽クマとバッタリ会わないための行動(予防)
クマとの事故の大半は、至近距離でバッタリ遭遇した結果、クマが身を守るために人を攻撃するパターンです。そのため、「声・音」で存在をアピールするのが大切。鈴やラジオなどの音のなるものを必ず所持し、鳴らしながら行動しましょう。また、「複数で行動」し声を出し合うなどして人の存在をクマに気付いてもらい、バッタリ遭遇を避けることが何より重要です。

▽クマと会ってしまった場合の対処法
クマと遭遇してしまったら「ゆっくり後ずさり」しましょう。背中を見せて走って逃げると、クマは追いかけたくなってしまいます。攻撃を受けそうになったら、防御姿勢を。 首の後ろで両手を組んで、うつ伏せになったり体を丸めたりして顔を伏せるポーズをとります。これにより、首から上の大ケガを防ぎます。クマの攻撃は自身が逃げる目的であり長引かないため、クマが逃げ去るまで急所を守りましょう。また、クマスプレーを使用するのも有効とのこと。

▽出典:秋田県知事 鈴木健太氏 インスタグラムアカウント/基本的な遭遇対策を徹底しよう!