〈2013年〉モデルを夢見る初々しい姿/投稿主さん提供
〈2013年〉モデルを夢見る初々しい姿/投稿主さん提供

モデルを夢見てポージングする12歳の少女が12年後に夢をかなえるまでの記録がInstagramに投稿され、話題となっています。投稿したのは、現在パリコレモデルとして活躍するMiyu Onoderaさん(@miyuonoderaa)。福岡の田舎で唐揚げ屋さんの娘として育った彼女が、「パリコレに出たい」と夢を語り続け、数々の困難や葛藤を乗り越えてモデルの道を歩んできた軌跡に、「感動しました」「リスペクトしかない」など多くの感動の声が寄せられました。

Miyuさんがモデルという夢に出会ったのは、幼い頃に聞いた母親の「モデルになってみたら?」という一言がきっかけだったといいます。自身も背が高いことにコンプレックスを感じていたという母親は、同じ思いを娘であるMiyuさんにさせたくないと考えていたそう。

しかしMiyuさんは、モデルという夢をかなえるまでの道のりは遠かったと振り返ります。

「高校に入学したばかりの頃、『将来パリコレに出る』と大勢の前で宣言したら、『大きなことを言っている』と笑われました」

また、小学生(12歳)で受けた初めてのウォーキングレッスンでは、緊張のあまり両手両足が同じ方向に出てしまい、まるでロボットのような歩き方になってしまったのだとか。しかし、その悔しさこそが行動力と継続するためのエネルギーへとなっていたのだと語ります。

「夢をかなえるために、国内外のショーやオーディション情報をノートにまとめ、親の電話を借りて片っ端から連絡しました」

時には、東京まで一人で出向き、コンポジット(宣材資料)を持って複数の事務所を訪ね歩いたこともあったそう。テレビ番組『林先生の初耳学』内で放送されていたパリコレについて学ぶコーナーに出演した際は、撮影会でカメラマンの琴線に触れずシャッターを切ってもらえない…という状況で、誰も声を上げられない中でただ一人「もう一度お願いします」と申し出たという逸話も。その一言がチャンスにつながり、コーナーの最後では見事パリコレに出演を果たしました。

一方で、夢を追いかける過程で深刻な心身のトラブルに見舞われたことも-。

「拒食症になったことがあります。『痩せていなければ価値がない』と思い込み、食べるのが怖くなってしまったんです。体重が減るにつれて仕事は増えましたが、生理は止まり、立っているのもつらいほどの状態に…」

そんな時にMiyuさんの支えになったのが、家族の存在でした。苦しみを経験したからこそ、“本当の美しさは健康の上に成り立つ“ことに気付いたと語ります。

「家族、恩師、おじいちゃん、おばあちゃんに誇れるよう、そして未来の子どもたちにかっこいい背中を見せられるよう、今を大切に生きています」

自分と向き合いながらひたむきに行動した結果、努力が実を結び、ついに大きなランウェイに立つというチャンスを掴んだMiyuさん。その当時についても、はっきりと記憶に残っているそうです。

「緊張よりも『楽しい!』という気持ちが強かったです。あのスポットライトの中の景色が忘れられず、『もっとこの世界で生きたい』と強く思いました」

現在は、「信念を貫き、生き方で真実を示す」という言葉をモットーに、行動で夢を証明し続けている彼女。「自分にも応援してくれる人にも嘘をつきたくありません。だからこそ、言葉ではなく行動で信念を示したいと思っています。努力は“運”ではなく“選択”なんです」と力強く語ります。

そんなMiyuさんは、かつての自分と同じように地方で夢を抱えながら、周囲に理解されずに悩んでいる人に向けて、こんな言葉を贈ります。

「私の好きな言葉の一つに、『人生にはいくつかの電車が来るけど、その電車に乗るか乗らないかは自分次第。乗りたいなら乗り遅れないように準備するの』というものがあります。私のような田舎育ちの普通の人間でも変われる。だからこそ、まずは自分を信じて、夢に真っ直ぐ進んでほしいです」

Miyuさん自身も次の目標はすでに決まっているそう。

「これからの目標は、『Victoria’s Secret』のエンジェル(=広告塔を務めるファッションショーモデル)になることです。小さい頃からずっと言い続けてきた夢の一つで、必ずかなえたいと思っています」