インバウンドの増加により、外国人観光客の姿を目にする機会が多くなっています。日本を訪れる外国人の国籍もさまざまで、その国ごとに性格や反応の違いが見られるものです。そんな中、舞妓として働いていた松原彩さんが自身の経験から描いた作品『お座敷と海外のお客様』をInstagramで投稿し、大きな反響を呼んでいます。
松原さんによると、芸舞妓の主な仕事は、宴席でお客様と会話を楽しんだり、舞やお座敷遊びなどの芸で場を盛り上げたりすることです。近年は海外からのお客様も増え、ツアーを通して舞妓の世界を体験する人も多いとのこと。ただ外国人観光客にとって、舞妓という存在に馴染みがないため、どのように話しかければいいのか戸惑う人も少なくありません。そこで舞を見てもらったり、一緒にお座敷遊びをしたりするうちに、少しずつ打ち解けていくそうです。
しかし、国によってその反応には大きな違いがあるようです。松原さんが特に印象的だったと語るのが、アメリカからのお客様でした。とにかく明るくリアクションが大きく、興味を持って積極的に楽しもうとする姿が印象的だったといいます。中でもお座敷遊びの時間は大盛り上がりで、ルールを説明すると全員が「やりたい!」と参加を希望するのだそうです。そして全力で楽しむ姿に、松原さん自身も思わず笑顔になったとのこと。
一方、フランスからのお客様は、京都の人に近い雰囲気でクールかつプライドが高い印象だったそう。また、ポーランドからの団体は美男美女ばかりで、まるでモデル集団のようだったとのことですが、実際には普通の公務員だったそうです。さらに、ベトナムのお客様からは「あなたの顔はベトナムでは美人」と褒められることも多かったそうで、国によって感性や価値観の違いを感じたようです。
さまざまな国のお客様の特徴が描かれた同作について、作者の松原彩さんに話を聞きました。
■言葉がなくても繋がれる舞妓さんの芸
ーお座敷遊びが好評だったとのことなのですが、他にはどのようなことをするのでしょうか?
「金毘羅船船」の他に「とらとら」というお遊びもよくしました。ルールはじゃんけんと同じなので、すぐ理解してくれてとても楽しんでもらいました。
一番印象的な国の方はどなたでしたか?
どの国も素敵な方ばかりだったのですが、一番印象的だったのはアメリカの方です。何をしてもひとつひとつリアクションが大きくて、とても楽しい時間を過ごさせてもらいました(笑)
ー日本人客には反応なかったけれど、外国人客にウケた、又は反応が良かったことや言葉などがあれば教えていただきたいです。
海外のお客様のお席には基本的に通訳の方がついてくださっているのですが、何度か通訳の方が不在の席があり、私の英語も拙くて会話が続かなかったことがあります。その時に助けてもらったのが「折り紙」です(笑)鶴から始まり、手裏剣などを作った時には食い入るように見てくれて、「芸は身を助けるなぁ」と安堵しましたね。
<松原彩さん関連情報>
▽Instagram
https://www.instagram.com/aya_ayayakko/
▽書籍『舞妓をやめたそのあとで (MF comic essay)』(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/404684664X
(海川 まこと/漫画収集家)
























