「外、綺麗だから見て」──機内でぐっすり寝ていたところを客室乗務員に肩を叩いて起こされたという驚きのエピソードがThreadsに投稿され、注目を集めています。投稿主は、イスラムや中国を中心に旅しているという写真家のHosophotoさん(@hosophotography)。「そんな理由で起こすなよ」と思いつつも言われるままに窓の外を見ると、そこにはユーラシア大陸の巨大な山々が朝日に照らされて連なる光景が広がっていました。「これは起こされてでも見る価値があったわ…」と納得したというこの一連の出来事には、「すてきな体験でしたね!」「良い景色で心が洗われます」など称賛の声が寄せられました。
この日Hosophotoさんが乗っていたのは、中国のウルムチからパキスタンのイスラマバードへ向かう便。遠回りではあるものの航空券が比較的安いルートで、日本から北京とウルムチを経由してパキスタンへ向かう旅の道中だったといいます。
「前日の乗り継ぎ遅延のため、睡眠時間を確保する予定だったウルムチ到着は深夜2時となりました。翌朝6時には空港に戻る必要があったため、ホテルでの滞在時間はわずか3時間。乗り継ぎ先の南方航空の便が朝8時発だったこともあり、確保できた睡眠時間はわずか2時間でした」
Hosophotoさんによると、「機内は搭乗率が30%くらいで、座席が横一列ぜんぶ空いていたんです。僕はシート一列分の3席を使って、横になって寝ていました。周りの乗客も同じように横になっていましたね」とのこと。移動時間を睡眠に充てようと考えていたHosophotoさんにとって絶好の環境だったそうですが、そんな“快適な機内ベッド”状態のところに、ひとりのCAが近づいてきたといいます。
「寝ていたら、トントントンって肩を叩かれて『外、綺麗だから見てみて』と言われたんです。正直その時は“マジか、寝かせてくれ…”と思いました(笑)。でも周りを見たら、乗客もCAもみんな窓の外を見ていて。“あ、これは何か来るな”と。そこから前方の景色を見たら、山々が見え始めていたんです」
その数十秒後、視界の先に現れたのが、朝日を背に輪郭を浮かび上がらせる7000m級の連山でした。
「逆光気味で、うっすらと山の稜線だけが浮かび上がる感じで、それが何層にも重なっていたんです。思わず“これはすごい”って声が出ました」
Hosophotoさんがあとから調べたところ、ウルムチからイスラマバードへ向かう途中のこの区間は、天山山脈やカラコルム山脈など7000m級の山が並ぶ山岳ルートだったそう。投稿で映っていた雪をいただく山々は、このフライトならではの絶景だったのです。
「イスラム文化、中国文化が好き」と話すHosophotoさんは旅の経験が豊富で、これまでに中国には34回ほど渡航しているそう。日常会話レベルなら中国語が話せるということで、中華系の航空会社もよく利用しているそうですが、今回のように寝ているところを起こされたのは初めての経験だったといいます。
「中華系の航空会社のCAさんって、もともと人当たりが良いイメージです。特に今回の南方航空のCAさんはすごくフレンドリーで、『ご飯もう1食食べる?』とか気さくに聞いてくる人でした。その人が『ほら、見て』って起こしてくれたので、“この人が言うなら見ておこうか”って素直に思えたんです」
「まさしく“いままで飛行機から見た景色で一番”の絶景でしたね。過去に中国の山奥で見た雪山フライトも良かったんですが、今回のは規模が違いました。この区間の乗客の多くは中国人かパキスタン人でしたが、みんな窓側を見ていたので絶景ポイントを知っていたのかもしれません。パキスタン国内線では“これから7000m級の山が見えます”といったアナウンスが入るようですし。日本でいう”富士山が見える席が人気”、みたいな感じなんでしょうね」
Hosophotoさんは「中華系の航空会社って“安いけどどうなの”ってイメージを持たれることがあると思うんですが、僕は全然アリだと思っています」と前置きしたうえで、自身のように旅行が好きな人へメッセージを送ります。
「迷っている方は、ぜひ一度利用してみると良いと思います。台風で遅延した時などのトラブル対応は日本の方が安心ですけど、乗り継ぎのオプションで無料のホテルが付いたり、今回みたいに親しみのあるフレンドリーな対応をしてもらえたり、日本の航空会社ではなかなかないような体験ができるという点で、とてもコストパフォーマンスが高いと感じました。また僕は『偏見の強い国を巡る』というモットーで旅をしているのですが、今回のように出合った絶景の写真をInstagramへ投稿しているので、ぜひ見てみてください」
HosophotoさんInstagram:@hosophotography
























