地べた這太郎さんと泥水すするさんのコンビで活動する「はいどろ漫画」の『はいどろ漫画集』は、自身や知人の体験談をもとに“身近のスカッと&ハッピーエンド”なエピソードを漫画化した作品です。そのなかの「投げ銭妻」は配信者に投げ銭をするため、息子の学費に手を出し、さらに不倫もしてしまう妻のエピソードは、以前X(旧Twitter)にポストされると、1500以上の「いいね」が寄せられています。
■片時もスマホを離さない妻…原因は若手の男性配信者?
同作の登場人物はデザイナー業の夫「金田誠」と大手会社勤務の妻「めぐみ」、中学一年生の「まさる」の3人家族です。夫は在宅仕事が多いため、すべての家事や育児を取り仕切っていました。
ある日、誠は常にスマホを見てまともに会話もしてくれないめぐみに不信感を抱き始めます。また夫だけでなく息子との距離も離れていくなか、めぐみが「スマホのながら見運転による60日の免停」になっていたことが発覚するのでした。
さらにめぐみは突如として離婚を切り出し、うつ状態を証明する診断書も出す始末。モラハラを訴えられ身に覚えのない誠はめぐみに違和感を覚えるなか、偶然にもめぐみが「キョウ」という配信者のファンであることを知ります。そして、息子の学資の積み立てがめぐみによって100万以上も減っていることが発覚し、誠はめぐみのカバンにGPSを取り付けることにするのでした。
このGPSの情報をもとに追いかけた誠は、ラブホテルの出入口付近でキョウとめぐみの姿を見つけます。2人が中に入ろうとした時、「待てぇーーーっ!!」と大声を出す誠。そして、誠がめぐみの夫であることをキョウに伝えると、「誤解ですよ ダンナさん」「今日だって無理やりホテル誘われて困ってたんですよね」と弁明します。
めぐみは思いもよらぬキョウの発言にショックを受け、さらにキョウから「お前なんか本気で相手にするわけないだろ」と一蹴されます。キョウに裏切られためぐみはその場に座り込んでしまうのでした。
その後、家に帰宅すると、誠はめぐみに学費をキョウの投げ銭に使っていたことを追及します。それでもめぐみは反省しておらず、心の中で「アンタ つまらないのよ」「若い男の子が夢を掴むために頑張る姿って最高にステキ」「楽しかったのにな~」と思っていました。さらに「ほとぼりの冷めたころに他の推し見つけて離婚して乗り換えてやる」と企てます。
しかし、偶然話を聞いていたまさるが部屋に入ってきて、泣きながら母のめぐみに怒りの言葉を浴びせます。ずる賢いめぐみは嘘の涙を流しながら反省する素振りを見せると、「母親としてまさると向き合う」「配信サイトの退会後に削除」「誠が希望した時にスマホを見せる」という条件のもとに、3人の関係の再構築を目指すことになりました。
とはいうものの、めぐみとまさるの関係は険悪な状態が続き、さらにはまさるがゲームに500円の課金をしようとしたところ、めぐみは舌打ちをして「ムダでしかない」と愚痴をもらします。100万以上も投げ銭をしためぐみに対し、誠は言葉を失うのでした。
読者からは「心の底からフィクションであってほしいと思った」「ある意味、妻のメンタルがヤバすぎる」などの声が。そこではいどろ漫画の地べたさんに、「投げ銭妻」について話を聞きました。
■後で見返すと意外と面白いと思った「ミイデラゴミムシダンス」
-同作を描いた経緯を教えてください。
この漫画は、友人に実際に起きた出来事をもとに描いています。友人たちに体験談を募ったところ、「数年前のことだけど、注意喚起になれば…」と、エピソードを提供してくれました。ご本人の許可を得たうえで、個人が特定されないよう一部脚色を加えて制作しています。
-お気に入りの場面はありますか。
友人に話を聞いたとき、「配偶者がハマっていた配信者の配信内容がコンテンツとして本当につまらなくて、何がいいのか本気でわからなかった」という言葉が印象に残ったので、「ミイデラゴミムシダンス」などいかにもくだらない配信をする様子を描いたのですが…後で見ると、意外と面白そうだな、と思ってしまいました。密かなお気に入りです。
-『はいどろ漫画集』は実際に起こった出来事を物語にしていますが、そういった情報収集はどのような形でおこなっているのでしょうか?
基本はごく親しい友人たちにエピソードを募っていますが、自分たち自身もなかなかのエピソード持ちと自負しています。自分の体験談をもとにしている作品もいくつかありますが、やはり個人の特定に至らないようにかなりの脚色を加えています。中には創作の部分と実話の部分との比率が8:2というお話も…。
-読者にメッセージをお願いいたします。
いつもブログやインスタをご覧いただき、ありがとうございます!最近はコメントをいただく機会も増え、すべてありがたく拝見しています。ギャグへの反応や展開の予想など、皆さんのリアクションが本当に励みになっています。実はコメントからヒントを得ていることも…(笑)。これからも一緒に漫画を楽しんでいただけたら嬉しいです!
(海川 まこと/漫画収集家)

























