「NO MUSIC NO LIFE」という言葉があるように、音楽なしの生活や人生は考えられないのではないでしょうか。そして音楽は、思わぬ化学変化をもたらすかもしれません。広瀬海斗さんが『これ昔描いた短い漫画です』と投稿した作品では、挑戦的な『夏休みの自由研究』が描かれています。同作はX(旧Twitter)にて約2.9万いいねもの反響を集めました。
小学3年生のせりかは、夏休みの自由研究として母に「植物にバイオリンを聴かせて育てたときの成長の違いを調べます」と伝えます。母は「練習にもなっていいじゃない、せりかの将来はバイオリニストかな?バレエダンサーも素敵ね」と話しました。
母から多大な期待を寄せられるせりかでしたが、実はこの自由研究の本当の目的は、植物ではなく「隣のひきこもりに音楽を与えたらどうなるか」だったのです。せりかは隣家に向かって、毎日バイオリンを弾きはじめました。最初の一週間は、ひきこもりは少しカーテンを開いた程度でまったく変わりませんでした。
しかし10日を過ぎるとドラムでセッションをしてくれるようになり、20日後にはなんと窓からギターが届いたのです。隣家の2階の窓から届けられたギターを受け取ったせりかに、ひきこもりの少年は「本当は君、ロックがしたいんだろ?」と語りかけます。そして自由研究の結果、せりかはロックに目覚め、少年は学校に通いはじめました。
その後、せりかは「音楽は私たちを大きく成長させる」と語り、2人でロックバンドを結成しました。読者からは「やんちゃなお嬢様って感じでいい!」「続きが気になる!」など、さまざまな声があがっています。
そんな同作について、作者の広瀬海斗さんに話を聞きました。
■せりかは父親に似ている
ーこの作品をつくったきっかけを。
同時に考えていたことがたまたま組み合わさってできました。
ーせりかはどのような環境で育った子だと想像していますか。
母親は厳しく結果や理想を求めるタイプで、父親は自由で好奇心旺盛なタイプだと思います。父親の描写はここにはありませんが、せりかは父親に似ていると思います。
(海川 まこと/漫画収集家)
























