「新幹線が、空を飛ぶ…?!」
そんな一文と共にXで拡散され、鉄道ファンの間で大きな話題となっているカフェがある。場所は京都市下京区、梅小路公園から徒歩5分の「鉄道カフェTA-TA」だ。
近くには京都鉄道博物館もあり、まさに鉄道好きのためのエリア。だが、この店の魅力は単なる「鉄道モチーフのカフェ」では終わらない。
店内に足を踏み入れると、そこにあるのは本物の新幹線の座椅子と窓枠。窓の外には走行映像が流れ、視界いっぱいに広がるのは、まるで旅の途中の車窓風景だ。…しかし、よく見ると違和感がある。窓の外に広がるのは、地上ではなく空。
そう、このカフェでは、新幹線の窓枠に飛行機から撮影した映像を流すことで、「空飛ぶ新幹線」という前代未聞の体験を実現しているのだ。驚くのは映像だけではない。座椅子には振動装置が仕込まれており、店主自らが撮影した映像に合わせて微妙に揺れる。実際、取材時に同行した乗り物酔いしやすい人は、「や、やばい…ちょっと酔う…」と本気で顔色が変わるほど。カフェなのに、乗り物酔いをする。これ以上のリアルさがあるだろうか。
新幹線席以外にも、心を掴まれるポイントは多い。店内には本物の運転席が設置され、音もすべて実際の走行音。それっぽいではなく、本物にこだわる姿勢が徹底されている。
驚くべきは、能勢電鉄で約3年前まで使われていた反転フラップ式案内表示機(通称パタパタ表示機)。実はこれ、現在の運行ダイヤと連動しており、京都にいながら「今、能勢電鉄がどこへ向かって走っているのか」が分かるという。……ここまでくると、もう唖然。
3階のスペースには他にも店主が幼少期から蒐集した標識、ヘッドマークなど、本物の鉄道部品のコレクションが所狭しと並べられている。蒐集は現在進行形で続いており、常連客からは「あれ?この前なかったよね…また増えてる?」とツッコミが入るのが日常風景ということだ。
鉄道要素ばかり先に紹介してしまったが、もちろん食事やドリンクも注文でき、車窓をながめながらいただくと気分は完全に食堂車。筆者が今回オーダーしたのは特製カレーライス(スープ付き)、ドリンク、ニューヨークチーズケーキ。特製カレーは辛さ控えめで、お子さま連れにも人気とのこと。いずれも美味しくボリュームもあり大満足だった。
この“空飛ぶ新幹線”を生み出したのは、関東出身の店主。「とにかく京都が好き」という理由から移住を決意し、鉄道カフェを開くなら…と物件を探していたところ、京都鉄道博物館近くの現在の場所に出会ったそう。
取材を通して感じたのは、この店主は間違いなく愛されるべき本物の変態だということ(ちなみに「変態と呼ばれるのは嬉しい」とのことなので、あえて使わせていただく)。「好き」をここまで形にした鉄道カフェは、正直初めて見た。徹底した“本物感”を追い求め、日々試行錯誤を重ねる姿は本当に素敵。…素敵なのだが、やっぱり変態である。
鉄道好きの方には、ぜひ一度、“好きの極み”が作り出す世界を体感してほしい。
【店舗情報】鉄道カフェTA-TA(たあた)
住所:京都市下京区(梅小路公園から徒歩5分)
営業時間:12:00~20:00(ラストオーダー19:30)
定休日:水曜日・木曜日
(まいどなニュース特約・橋本 菜津美)























