元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖
元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖

昨今は多くのアイドルグループが存在し、話題になったと思ったらすぐに別のアイドルが誕生し、まるで椅子取りゲームのように人気を奪い合っている状況です。そして話題になっているアイドルの数以上に地下ドル(地下アイドルの略称)は存在しています。

地下ドルたちは、ライブハウスから“地上”を夢見て奮闘するものの、過半数以上がある程度のところで見切りをつけて消えていくのが現実です。売れない生活を続け、1度は輝きたかったサクラさん(仮名)も夢に破れたうちの1人。

地下ドルからセクシー女優の道を検討したけれど道は険しく、「思い通りにいかない日々に、今も戸惑いを隠せない」と語りました。

■アイドルデビューのきっかけはメイドカフェのアルバイト

サクラさんは高校卒業後にフリーターをしていた時、以前から興味があったメイドカフェのアルバイトに応募します。無事に面接を突破し、居酒屋勤務とメイドさんを掛け持ちし始めたのがちょうど20歳の時です(以下『』内、サクラさん談)。

『勤務先(メイドカフェ)は小さなお店だったんですが、入店直後からアイドルグループを作る話が出ていました。昔から煌びやかな商売に憧れていたからチャンスだ!と思い、希望を伝えたところあっさりメンバーになれたんです。働いているメイドさん5人でグループが結成され、晴れてアイドルデビュー。でも、運営もメンバーもいい加減過ぎてグダグダになり、すぐ解散しちゃいましたが(笑)』

■2度目のアイドルは出だしは絶好調だったものの…

サクラさんはグループ解体をきっかけにメイドカフェを辞め、ガールズバーに移ります。そんな時、たまたま地下ドルの運営スタッフと巡り合い再度アイドルの道を目指すことに。2度目のデビューはトントン拍子に進み、ライブアイドルとして多忙な毎日を送るのでした。

ライブは平均して週3回。土日は「2回し」といって1日に2現場をハシゴするなど、スケジュールは常にギュウギュウ詰め。バイトとの掛け持ちは非常に大変だったものの、毎日がとても充実していたのです。

『メイド時代のお客さんも数名だけど来てくれたし、歌って踊るのが好きだったから楽しかったです。新規ファンを掴めるとやる気もでますしね。でも、2年くらい活動しても動員がさほど増えず、段々マンネリ化も拭えなくて……。メンバーの契約違反などもあり、最終的にはまたグダグダになって解散しちゃいました』

その後の彼女は元メンバーからの誘いを受けて再度グループへ加入するも、オタク(=ファン)が増えずに苦戦。遂に3度目の解散を経験し、自分への限界を感じ始めました。

全てを諦めようとしたとき、サクラさんがふと思いついたのはセクシー女優への道です。「これなら何もできなかった私にもチャンスがあるのではないか」と希望を持ち、当時知り合いだった夜職スカウトマンに連絡するのですが……。

■事務所面接に落ちた地下アイドル、整形だけが唯一の希望に

『スカウトに連絡しても“女優は大変だし、向いてない。勧めない”とハッキリ言われてムカつきました。正直、私は自分の元地下ドルの肩書が使えると思ってたし、アイドルを続けられるくらいだからルックスに自信があったんです。裸になるのが恥ずかしい、とかよりも、とにかく一皮むけたかった。だから自分でセクシー女優のプロダクションを探し、面接へ行ったんですが2社とも落ちたんですよね。すごい凹んで、一時期はご飯も食べられなかったくらい』

「地下ドルからセクシー女優へ移行すれば少しは話題になるだろう」とも踏んでいたサクラさんですが、現実はそう甘くありません。なぜなら彼女がセカンドキャリアを考えたのは2023年頃と、すでにセクシー業界も人材が溢れていたからです。元地下ドルの女優さんは多く存在し、ビッグネームでない限りは「珍しい存在」として取り扱ってもらえません。

『3社目の小さなプロダクションは受かったんですが、単体は難しいと面接の時点で言われてしまいました。おまけに自社で同人ビデオをやっていて“お金がすぐほしいならこっち”と、やんわり同人を勧められたんですよね。私がやりたかったのは同人じゃないから、結局3社目を断って、今はガールズバーとデリヘルを掛け持ちしています』

現在の彼女が唯一楽しみにしていることは整形です。貯めたお金で二重埋没と唇のヒアルロン酸注入を終え、次回は鼻のプロテーゼを挿入するのだそう。「顔を変える以外に希望が持てない」と言い、行き場のない現実に打ちひしがれているようでした。

『輝きたいだけなんですけどね、私。キラキラした人生を送りたいのに、うまくいかないから毎日落ち込んでます。ガルバとデリがあるから収入には困ってないけど、整形しまくれるほどのお金はない。とりあえず顔を変えたら新たな道が開けるかなと思い、毎日美容外科のサイトばっかり眺めてますよ(苦笑)あまり先のことは深く考えたくないですけどね。……だって、顔変えてまた似たような結末を迎えたら、次は立ち直れないかもしれないから』

サクラさんのような例は、決して少なくありません。人前に出て脚光を浴びたいのにも関わらず、つまづいた結果が整形依存や引きこもり、ギャンブル狂いなど……。夢に破れた人間が方向性を間違えると、さらなる八方塞がりが待ち受ける可能性さえあるのです。

◆たかなし亜妖(たかなし・あや) 元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。
2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。