「こんな立派な橋なのに誰が設置したのかわからないってどういうこと?」
そんなコメントが添えられた写真が、「管理者不明の勝手橋」として話題になっています。写っているのは、岐阜県恵那市明智町にある観光地「日本大正村」内の川に架けられた人道橋。木製調の手すりが施されたしっかりとした造りで、周囲のレトロな町並みに自然に溶け込んでいます。
Xユーザー・まっちさん(@r_norvegicus345)が街歩き中に偶然見つけたこの橋。欄干や柱には行政が設置した白い看板が掲げられ、「この橋の設置者又は管理者の方を探しています」と大きく書かれ、下部には赤字で連絡先が記されています。一見するとごく普通の橋だけに、設置者や管理者が不明という事実に驚きの声が上がりました。
まっちさんは、これまで何度もこの街を訪れていたにもかかわらず橋の存在に気づかなかったといいます。観光客が利用しやすい場所にありながら「私設とは思えない立派さ」だと投稿。写真からは、橋の手前で立ち止まるような構図が、その戸惑いを物語っているようです。
日本全国には、こうした「勝手橋」と呼ばれる管理者不明の橋が河川上に数多く存在します。国土交通省の過去の調査などによると、全国で9000~1万件規模とされ、無許可で個人や集落が設置したものや、河川改修時に地元の要望で架けられたものの行政への引き継ぎが行われなかったケース、設置者が亡くなり記録が残っていない事例などが主な原因とされています。
管理者が不明な場合、老朽化や破損時の点検・修繕が十分に行えず、通行時の安全性が懸念されます。行政は地元への聞き取りや看板設置などで設置者を探し、判明した場合は河川法に基づく許可手続きを求めたり、必要に応じて撤去を指導したりする方針を取っています。
観光地として便利に使われている橋だけに、ネット上では「ここまで立派な橋だと…単なる人道用の勝手橋をここまで立派にするお大尽はそういないと思います」「こんな立派なのに設置者不明ってどういうこと…?」「設置した方が便利だけど、行政許可や設置責任、管理者責任を考えると勘弁なので、施工者本人どころか近隣住民も匿ってダンマリというのはまれによくあります」など、驚きや背景を考察する声が寄せられています。投稿は1.6万件を超える“いいね”と330万回以上の閲覧を記録。まっちさんにお話を伺いました。
■「こんなところにも?」 思わず立ち止まった“勝手橋”との遭遇
ーーこの橋を見つけたきっかけは?
「明智町を観光で訪れ、何気なく歩いていたときに偶然この橋に出ました。明智には何度か来たことがありますが、この橋の存在は初めて知りました。うかれ横町という有名なフォトスポットから駅や駐車場へ向かう途中に自然と出てくる場所なので、知らずに通り掛かる観光客も多いのではないかと思います」
ーー設置者・管理者募集の掲示を見たとき、率直にどう感じましたか。
「いわゆる『勝手橋』が全国各地に数多くあることは知っていたので、こんなところにもあったのかと思いました。ただ、観光に便利な場所に架かっており、私設とは思えないほど立派な構造の橋なので、その点は意外でした」
ーー実際に橋を渡ってみましたか。
「渡りました。渡った後でこの貼り紙に気付きました。何の変哲もない、ごく普通の小さな橋という印象でした。橋の前後に階段があるため歩行者専用の橋だと思いますが、渡った先が川沿いの遊歩道につながっているので、この橋も遊歩道の一部のような感覚でした」
ーー投稿が大きな反響を呼びましたね。
「管理責任を問われたり撤去を求められたりしそうだから、事情を知っている人も名乗り出ないだろう、という反応が多かったのが印象に残りました。きっと行政も頭を悩ませているのではないかと思います」
観光地に自然と溶け込み、何気なく使われている橋が“管理者不明”という現実。身近な風景の中に潜むこうした存在は、私たちが普段意識しないインフラの裏側を改めて考えさせてくれます。
なお、まっちさんは日本大正村を訪れたときの様子を自身のYouTubeチャンネル「まっちの街歩きチャンネル」で公開しています。“勝手橋”は、動画の8分58秒あたりで見ることができます。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
























