野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で決勝ラウンドに進んだ日本代表「侍ジャパン」。いぶし銀の活躍を見せるのが阪神タイガースの坂本誠志郎捕手(32)=養父市出身=だ。小学生の時に所属したチームが解散するなど、少子化の波が押し寄せる人口約2万人のまちで、坂本捕手は「養父の星」と呼ばれている。日本時間15日の準々決勝ではベネズエラと対戦。郷土の期待を背負った「虎の頭脳派捕手」が世界一へとチームを支える。(尾藤央一)
坂本捕手は阪神の正捕手として強力投手陣をリードし、昨季は2年ぶりのリーグ制覇に貢献。昨年秋に初めて侍ジャパンに選ばれた。
好リードに結び付く観察力は、幼少期から鋭かった。好奇心旺盛で、自宅のリフォームの際には作業にくぎ付けに。父の龍二さん(64)は「大工さんから『やってみるか』と言われるほど、ずっと見ていた。木の端をもらうと、まねて上手に切っていた」。ただ見るだけではなく、理解して自分のものにしていく力があったという。
2学年上の兄に続き、養父小1年から「養父カープ」で白球を追った。雪が積もる日も小学校まで片道約3キロを歩いた。スキーが家族共通の趣味で、野球の練習がない放課後には、アップかんなべスキー場(豊岡市)へ。「『蛍の光』が流れる午後9時まで滑っていた」と龍二さん。降雪地域の環境を生かし、足腰の強さを培った。
坂本捕手は今大会、6日の台湾戦と7日の韓国戦に出場し、1次リーグ突破に貢献。龍二さんは家族らと東京ドームで応援した。台湾戦後に対面し「こんな舞台に連れてきてくれてありがとう」と感謝を伝えると、坂本捕手から「負けられない試合が続くけど頑張る」と力強く返事があったという。
米国に舞台を移し、準々決勝に挑む侍ジャパン。大会2連覇へ向け、龍二さんは「きめ細かな日本らしい野球で、世界一に貢献してほしい」とエールを送る。
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■侍ジャパン坂本捕手の小中時代 小学校では兄とバッテリー 中学3年はエース右腕
侍ジャパンの坂本誠志郎捕手は、野球を始めた小学生の時から「扇の要」を任され、軟式少年野球の兵庫県内ナンバーワンチームを決める「神明あかふじ米兵庫県ジュニア軟式野球選手権大会」の出場経験もある。2003年には2学年上の兄剣志郎さんとバッテリーを組み、4年生ながら中心選手として活躍した。
養父中3年の時には本格派右腕としても名をはせた。当時の野球部監督、岩浅克友希さん(56)によると、チーム事情で4月から転向。直球が持ち味で制球力も高かったといい、「代わって捕手になった後輩の育成に力を注ぎ、熱心に指導していたことが印象に残っている」。
08年の但馬中学総体ではエースとして、ともに延長にもつれた準決勝、決勝の計18イニングを投げ抜き、県大会へと導いた。
【さかもと・せいしろう】養父市立養父中から大阪・履正社高、明治大に進み、2015年のドラフト2位で阪神入り。高校、大学、大学日本代表、阪神で主将を経験した。176センチ、79キロ。右投げ右打ち。
























