風俗店のスタッフは男性のみと思われがちですが、それはもう昔の話。最近はジャンル問わず女性スタッフが常駐する時代です。もちろん必ず在籍しているとは限りませんが、大手グループこそキャリアを生かしたスタッフ採用を積極的におこなっています。
そんななかには「元嬢」のスタッフも存在しています。イメージだけでいうと、「稼ぐだけ稼いで裏方に回った人」と思われがちです。そこで、実際はどのような経緯でスタッフとなったのか、今現在内勤として務める女性スタッフのリアルを取材しました。
■「貯金なんてない」……“稼ぎ切って引退”ではない厳しい現実
キャスト歴15年、内勤歴2年のフウカさん(仮名・38歳)は現在デリバリー型の風俗店で内勤を担当する女性スタッフです。裏方業務だけではなく新人キャストの指導もおこない、お店では頼れるお姉さん的存在となっています。雰囲気も柔らかで「当時はお客さんからかなり人気があったのではないか?」と筆者は話した瞬間から思いました。
経歴を尋ねると、やはりフウカさんはかつて人気者でした。21歳から夜の世界の扉を叩き、20代前半で月200~300万円を稼ぐハイレベルなキャストに。ご本人も「面白いくらい稼げた」と語り、人生が上り調子だったと言います(以下『』内、フウカさん談)。
『でも稼いだお金を途中から右から左へ流すようになりました。ホストにハマッたり、男性を養ったり。あとはハイブランドなどにも使い、しっかり貯金をせずに毎日過ごしていましたね。そうこうしているうちに20代後半にかけて収入が下がり始め、35くらいで病気をしちゃったんです。お腹に切開跡ができて、致し方なく仕事を引退しました。スタッフになったのはセカンドキャリアに困ったからであり、業界を盛り上げたいとか、売れっ子を育てたい等の気持ちは全然なかったなぁ……』
収入が下がってからも金銭感覚の狂いが治らず、月100万円稼いでも貯金は5万円程度。そのお金でさえ、タンスにしまってもすぐに引き出してしまいます。ホストから解放されても「何に使ったかわからない」という状態を続け、ほぼ貯金ゼロの状態で引退。現在もお金を貯めることに対しては、かなり苦労している様子です。
『今は月収30万円くらいで、生活レベルを家賃8万円のところまで落としました。でも外食はやめられないし、スマホ代は高いしでほぼ自転車操業。稼ぎ切って引退できなかったことをすごく後悔していますが、私みたいな女性スタッフも少なくはないみたいですね。同グループの同僚も10年以上キャストしてたのに、やめた時100万円くらいしか手元に残っていなかったそうです』
■内勤スタッフとしての不安とこれから
フウカさんは在籍していたお店ではなく、新天地でスタッフとして活躍中。これもキャスト時代の同業者の誘いを受けて仕事が決まったのです。
『当時すごく仲良かったコが移籍しちゃって、退店後も連絡を取っていた時に“女性スタッフ募集しているよ!”と今の店を紹介されました。そのコは業界を上がって(引退)結婚し、昼職に移りましたね。彼女にはすごく感謝していますが、あのコの人生がちょっとだけ羨ましいです』
元売れっ子だからこそキャストに適切なアドバイスができるため、フウカさんは店内で重宝されているそう。しかし給料が上がらないことと、将来が見えないことには大きな不安を抱えてしまいます。お店の売り上げが悪いとボーナスは出ず、業界全体が苦戦を強いられているせいで、「安定」の二文字が見えないからです。
『客入りが良いと毎月ボーナス的なのが加算されるんですけど、金額的には大きくないですし、目標金額に届かない月も多いです。SNS動かしたり広告の見せ方を考え、事務作業にキャストのケア。もう1人女性スタッフがいますけど、彼女は元売れっ子ではないのでキャストへの講習が最低限しかできません。だから自動的に教育とケアが私に回ってくるから、これで月30万円か……と思ってしまいます。
今はなるべく堅実に生きる努力をして、飲みにも行かなくなりました。それでもなかなか貯金できないから、困ってるんですけどね(苦笑)この仕事だと出会いもないし、キャリアを活かして働けるのはいいけどなんだかなぁ……といったところでしょうか』
一度夜の世界に入ると自己を保ち、ブレない軸を持ち続けるのがいかに大変か……。もしかすると“再就職先が”見つかっただけでも、フウカさんはラッキーなのかもしれません。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。
























