自分が当たり前と思っていることが、世の中でも当たり前とは限りません。2024年から「マガポケ」(講談社)で連載中の瀧宏一さんによる『ジュミドロ』は、戦うこと以外のことは何も分からない少女が過酷な世界を懸命に生き抜く物語です。以前瀧さんのX(旧Twitter)に同作の第1話が投稿されると、1.3万もの「いいね」が寄せられています。
“剣戟ファンタジー”である同作の主人公は、コロッセオで名を馳せる剣闘士の少女・ラムネ。命をかけて闘う舞台であるコロッセオで強者と対峙し、華麗な剣さばきで勝利を次々と収めていました。
例えば“二十人殺しのジャスガン”という異名を持つ、ラムネよりも遥かに大きな体格の男と剣を交えた際も、彼女はまるで散歩でもするように彼の命をたやすく刈り取ります。そんな彼女は周りから剣闘士の頂点“不敗の剣”と呼ばれていました。
ジャスガンとの戦いを終えた後のラムネを待っていたのは、とある男との邂逅です。彼に奴隷として買われたラムネは、まるで荷物のように木箱に入れられてコロッセオから別の場所へと運ばれます。しかしその後、なにかのトラブルによりその木箱は壊れ、ラムネは川のほとりに投げ出されることに。思いがけず自由の身になったラムネは、ひとりで森の中をさまよっていると、ひとりの老婆と遭遇します。彼女はずぶ濡れのままさまようラムネを心配し、自宅へと招待するのでした。
その後、ラムネは老婆に温かいスープをもてなされ、さらにはボサボサになっていた髪をくしでといてもらうなど、優しく介抱されます。その時にラムネは自分がコロッセオから来たことや、帰り方が分からないことを伝えるも、老婆は気を遣ってそれ以上聞くことはしませんでした。
次の日はふたりで一緒に畑で山菜を取ったり、畑の手入れをしたり、ラムネは今まで味わったことがないような平和な日常を経験します。さらに老婆から「行く当てが無いのなら ずっとこのお家に居てもいいのよ」と提案されるのです。
ラムネの新たな人生が切り開かれると思った矢先、偶然やってきた盗賊にふたりは襲われてしまうのです。盗賊に蹴られ絶望する老婆を横目に、剣の切先を目の前に見せられたラムネは、一瞬のうちに盗賊から剣を奪います。そして、瞬く間に盗賊たちを全員切り伏せるのでした。
コロッセオでは人を殺すと観客は大喜びしていたため、これで褒めてもらえると思ったラムネは老婆の方をみます。しかしそこには、喜ぶどころか怯えきった老婆の姿がありました。そして老婆は、憔悴しながらラムネに「すぐに出ていってちょうだい」「怖い…怖いのよ」と言います。再び孤独になったラムネは行く当てもなく、ひとり歩き始めるのでした。
『ジュミドロ』第1話を読んだ人からは、「アクションが迫力満点」「ラムネのその後が気になって仕方ない」などの声が。そこで作者の瀧さんに、同作を描いたきっかけについて話を聞きました。
■昔描いた読み切りが連載作品に!
-『ジュミドロ』を描くことになった経緯を教えてください。
連載ネームを描くにあたって昔描いた読み切りの『ジュミドロ』を連載用としてもう一度考えてみようということになりまして、ラムネというキャラクターを周辺の環境も含めてもう一度考え、今の形になりました。
-第1話の中で、特にお気に入りの場面があれば、理由と一緒にぜひお聞かせください。
後半、賊を斬る見開きと、ラムネがペドロの死体を見て、その後、表情を変えずに外の世界を見上げるところです。
-連載作品ですが、最新話を更新した後は、やはり読者の反響などはチェックしたりするのでしょうか?
見ないようにはしていますが、気になってみてしまいます。本当に反応があるのはすごく嬉しいです。いつもコメントをくださる方、ありがとうございます!
(海川 まこと/漫画収集家)























