近畿日本鉄道は5月3日から4日にかけて、夜行列車「ミッドナイトひのとり」を大阪難波~近鉄名古屋間で運行しました。関西大手私鉄としては大変珍しい夜行列車だけに、どのように運行されているのか、気になる方も多いと思います。そこで、大阪難波駅から近鉄名古屋行き「ミッドナイトひのとり」に乗車しました。
■満席だけど満席じゃない車内
「ミッドナイトひのとり」は大阪難波~近鉄名古屋間を走る夜行列車です。同列車は定期列車ではなく、ツアー形式の団体臨時列車です。そのため、運行日は不定期となっています。使用車両は大阪難波~近鉄名古屋間を中心に活躍する80000系「ひのとり」です。
「ひのとり」を使った夜行列車は昨年4月にスタート。今年度最初の「ミッドナイトひのとり」は、5月3日深夜に近鉄名古屋発大阪難波行き、5月4日(3日深夜)に大阪難波発近鉄名古屋行きが運行されました。運賃、特急料金、ひのとり特別車両料金などを含めたツアー料金はプレミアム席利用が9,900円、レギュラー席単独利用(1名で2席利用)が8,000円、レギュラー席ペア席利用(2名で2席利用)が6,200円です。
私は4日運行の近鉄名古屋行きに乗車しました。近鉄によると、3日発の大阪難波行きは138名、4日発の近鉄名古屋行きは120名の参加があり、「ほぼ満席」とのこと。ただし、「ミッドナイトひのとり」に使われた80000系6両編成の座席定員は239名なので、車内は空席が目立ちました。この点は夜行列車の性格を考えた配慮といえます。
近鉄名古屋行きのダイヤは、大阪難波駅を24時01分に発車し、大阪上本町駅、鶴橋駅の順に停車します。途中、名張駅で時間調整のために4時間ほど停車しますが、乗降はできません。翌朝は、津駅、白子駅、近鉄四日市駅、桑名駅の順に止まり、近鉄名古屋駅に7時05分に到着します。なお、津、白子、近鉄四日市、桑名の各駅からの乗車は認められていません。
■旅情そそる「深夜特急」の旅
鶴橋駅を発車すると、車掌による車内放送があり、「深夜特急」とアナウンスされました。放送では「大きな声を上げないこと」、「必要以上に車内を移動しないこと」といった注意点が流れました。
車内は深夜であっても、減光はありません。安全面もさることながら、「ひのとり」レギュラー席車両には、減光の設備が備わっていません。
その代わり、「ひのとり」オリジナルのアイマスクが配られました。
発車後しばらくは、乗客どうしのひそひそ声も聞こえましたが、24時40分頃、大和八木駅に乗降不可な運転停車をした際には、車内は静寂に包まれました。
25時(午前1時)を過ぎ、名張駅に運転停車。ここで、5時18分まで停車し、時間調整します。同様に、大阪難波行き「ミッドナイトひのとり」も名張駅に長時間停車するため、「ひのとり」80000系が並びました。
午前5時18分に名張駅を発車し、名張にある老舗和菓子店「賛急屋」によるおにぎりをメインにした朝食が配られました。朝食サービスは利用者からのアンケートを受け、昨年11月から始めたとのこと。
メニューはオリジナルで、衛生面から作り置きが難しいことから、「ミッドナイトひのとり」が運行する度に、おにぎりを握ります。伊賀牛のしぐれ煮おにぎりの素朴な味わいと、甘口のたまご焼きが印象的でした。また、両先頭車には「カフェスポット」があり、弾きたてのコーヒーが楽しめ、眠気冷ましに持ってこいでした。
「ミッドナイトひのとり」名張~近鉄名古屋間の所要時間は1時間47分です。参考までに、昼間時間帯を走る名阪特急「アーバンライナー」シリーズ名張~近鉄名古屋間の所要時間は1時間25分です。「ミッドナイトひのとり」の方が20分ほど遅いですが、近鉄名古屋駅付近を除くと、名古屋線内は時速100kmほどで走り、徐行運転は目立ちませんでした。
7時05分、定刻に近鉄名古屋駅に到着し、「ミッドナイトひのとり」7時間の旅が終わりました。
降りる乗客は鉄道ファンよりも家族連れが圧倒的に多く、「ミッドナイトひのとり」が沿線に定着しつつあるように感じました。























