結婚式の和装は暑い! ※画像はイメージです(kakkiko/photoAC)
結婚式の和装は暑い! ※画像はイメージです(kakkiko/photoAC)

関東在住のAさん(50代女性)がため息をついたのは、今年8月に控えた息子の結婚式の準備を進めていたときのことです。式場に黒留袖のレンタルを問い合わせると、担当者から「夏用の留袖はご用意がなく、オールシーズン対応のものでしたらご用意しております」と言われたことが理由です。

予定している式場は屋外に出る演出があり、真夏の炎天下に分厚い着物をまとうのをイメージするだけでAさんは気が遠くなりそうです。また、相手の母がどのような衣装を用意しているのか息子に聞いてみると、和装で合わせたいという要望があったこともAさんを悩ませます。

衣装はレンタルするつもりだったAさんは、自前で夏用の留袖を用意するという選択肢はなく、「暑さで倒れてしまったらどうしよう」と心配でしかたがありません。では、もし夏用ではない留袖で結婚式に臨むとしたら、何か暑さ対策はできるでしょうか。

真夏の結婚式における黒留袖のマナー、当日の暑さ対策、そして夏用留袖の入手方法について、元ブライダルコーディネーターの成松美里さんに話を聞きました。 

■真夏に袷の黒留袖はマナー違反? 

-真夏の結婚式でオールシーズン用の黒留袖を着ることは、マナー上問題ありませんか。また式場側はどう見ていますか。

オールシーズン用の黒留袖のご用意のみということで困惑されますよね。

ただ、黒留袖は最も高い第一礼装になりますので、式場側としてもご参列の方々に対しましても、マナー違反にはなりません。

そもそも花嫁さん自身、夏用の白無垢や色打掛を着ることはありません。お母様が袷の黒留袖をお召しになるのは、式場側としても当たり前のこととして受け止めています。

近年は5月でも真夏のような暑さの日があるくらいですから、着物の着分け時期を厳密に守ることより、体調を崩さないことの方が大切です。肩の力を抜いて、大切な日を楽しみにしていただければと思います 。

-実際に真夏に黒留袖を着る場合、式当日の暑さ対策として何ができますか。

1番のポイントは、式場の更衣室で当日着替えること。自宅から着て移動するだけで汗だくになってしまいます。

そして袷の下に着る長襦袢と肌襦袢を麻などの夏素材にするだけで、体感温度が変わりますよ。腰紐や伊達締めも天然繊維のものを選ぶと蒸れにくくなります。着付け前の冷感スプレーや冷却シートも上手に活用してみてください。 

-夏用の黒留袖を用意する方法はありますか。また式場レンタル以外の選択肢を教えてください。

式場のレンタルに夏用がなければ、着物専門のレンタル通販サイトを探してみてください。最近は単衣の黒留袖を扱うショップが増えていますし、式場への直送サービスがあるところも多いので、重い荷物を持って移動しなくて済むのもうれしいポイントです。

ただ、夏物の絽は透け感があって写真で黒が薄く写ってしまうことがあるので、ご両家で並ばれた時に少々見劣りしてしまう可能性があったり、品格の差のように見えてしまう場合もございます。

そのため、写真写りを重視するなら見た目が袷とほぼ変わらない単衣がよいでしょう。事前に相手方のご家族と仕立ての種類を合わせておけると、より安心です。

◆成松美里(なりまつ・みさと)
ブライダルコーディネーターとして約800組のカップルを送りだし、現在はライフコーチとしてそれぞれの幸せの形を求め活動しています。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)