第61期王位戦
19日、福岡市の「大濠公園能楽堂」で始まった第61期王位戦7番勝負(神戸新聞社主催、伊藤園協賛)の第4局。かど番で迎えた大一番にかける決意の表れだろうか。木村一基王位は対局開始の合図を受けても微動だにせず黙想。1分半ほどたってようやく初手を繰り出し、能舞台に小気味よい駒音を響かせた。
対局開始前、白の和服姿の藤井聡太棋聖が舞台に向かって左手の橋掛かりから登場。約10分後に黒マスクの木村が赤い敷物の上をゆっくりと歩いて着席した。午前9時、開始の合図が掛かっても木村は動かない。その後、沈黙を破るように「2六歩」を突くと、藤井はお茶を3口。一呼吸置いてから「8四歩」で応じた。
3連敗で後がなくなった木村。前日の記者会見で18歳の挑戦者を「ミスが少ないところに強さがある。それが成績に結び付いている」と分析。それでもプレッシャーはないと断言し、「自分の力を出すのが第一。そちらに力を注ぎたい」と切り替えていた。
対する藤井は「本局に向けてしっかり休んで良い状態」と万全の様子。「(タイトルは)全く意識していない」と語り、能舞台での対局に「何か感じていただけるような将棋を指したい」と抱負を述べた。
副立会人の豊川孝弘七段は「木村王位の初手は気持ちを落ち着けたのだと思う。藤井棋聖も気負った様子もなく、準備万端という感じ」と序盤の戦いぶりを見つめていた。
■相掛かりの戦いに
藤井聡太棋聖の3連勝を受けて始まった王位戦7番勝負第4局。先手番の木村一基王位は第2局に続いて、得意戦法の相掛かりを採用した。
今期の7番勝負は第1局が角換わり、第2局が相掛かり、第3局が矢倉と、すべて異なる戦型で指されてきた。
第4局は木村の7八金(5手目)から相掛かり模様に進んだ。藤井が8六歩(16手目)から歩交換すると、木村も飛車先の歩を交換し、2五飛(23手目)と中段に飛車を引いた。
副立会人の豊川孝弘七段は「2五飛は木村王位の棋風が表れた手。これから空中戦になりそうだ」と話した。
2020/8/19-
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