誰でも使える万博会場の「オールジェンダートイレ」。個室トイレも洗面台も共用となっている=5月16日、大阪市此花区の舞洲(万博協会の許可を得て撮影しました)
誰でも使える万博会場の「オールジェンダートイレ」。個室トイレも洗面台も共用となっている=5月16日、大阪市此花区の舞洲(万博協会の許可を得て撮影しました)

 人気パビリオン前の長蛇の列がたびたび報じられている大阪・関西万博。ところが、女性用トイレだけに行列という国内各地の観光地で当たり前の光景は見られず、「待たずに使えて快適」と来場者から好評という。西日本新聞「あなたの特命取材班」が背景を探ると、「誰もが快適に使えるトイレ」を目指して、会場設計にある国際基準を取り入れていた。(西日本新聞社)

■共用の「オールジェンダー」も

 5月中旬の平日の午後2時ごろ、2カ所ある入り口の一つ、東ゲートそばのトイレを訪れた。修学旅行の女子生徒たちが次々入っていくが、行列はできていない。計5回、万博会場を訪れたという大阪市淀川区の女性会社員(31)は「若手デザイナーが手がけた一部の人気トイレを除けば、女子トイレで並んだことはない」と振り返る。

誰でも使える万博会場の「オールジェンダートイレ」の案内板=5月16日、大阪市此花区夢洲(万博協会の許可を得て撮影しました)

 このトイレでは、男性用は小便器19基、個室15室。一方、女性用は個室39室。個室数を比べると、女性用は男性用の2・6倍となる。会場全体でも、トイレの全個室計919室のうち女性用は696室で、男性用の約3・1倍だ。