神戸市長選(12日告示、26日投開票)を前に、立候補を予定している4人による討論会が5日、神戸市中央区で開かれた。神戸空港国際化や人口減少、タワーマンション規制などについて議論を交わした。
神戸新聞社とサンテレビが主催。出席者はいずれも無所属で、現職の久元喜造氏(71)、新人で兵庫労連事務局長の岡崎史典氏(56)、新人でニュース分析会社社長の木島洋嗣(ひろつぐ)氏(50)、新人で元神戸市議の五島大亮(だいすけ)氏(48)。
4期目を目指す久元氏は、三宮ウオーターフロントや郊外駅の再整備、神戸空港の国際化などを実績として強調。「医療や芸術文化、スポーツなど、世界とつながる都市として神戸を進化させる」と訴えた。
2度目の市長選挑戦となる岡崎氏は、物価高対策に主眼を置いた。中小企業の賃上げ策として社員1人当たり10万円の助成などを掲げ、「市民の願いを実現するには市長を変えなければならない」と述べた。
昨年の衆院選、兵庫県知事選にも立候補した木島氏は「水道・電気料金3万円値下げ」が公約。市保有株の売却やタワマン規制緩和による税収増を財源に、「給食や保育無償化も実現する」との持論を展開した。
市議12年の経験がある五島氏は「人口減少が神戸の最大の問題」と述べて積極財政を主張。「新たな雇用を生むスタートアップ支援など、活力をつくっていかないと未来はない」と企業誘致の必要性を説いた。
市内の高校生4人も登壇し、通学路の安全対策や商店街活性化策などを質問。立候補予定者は「教師や警察官が車で送迎するライドシェアを導入する」「ふるさと納税の返礼品としてデジタル通貨を発行する」などとアピールした。
また、斎藤元彦・兵庫県知事の県政運営への評価や選択的夫婦別姓の賛否を「〇」「×」で問うコーナーのほか、立候補予定者同士が相手を指名する討論もあった。(前川茂之)
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討論会の詳報は10日付朝刊に掲載します。「神戸新聞NEXT」でも後日、動画を配信します。