淡路グルメが味わえ、海沿いのキャンプ場を併設する宿泊施設・休暇村南淡路(兵庫県南あわじ市)が60周年を迎えた。大型天体望遠鏡を備え、天文ファンのリピーターも多く、これまでに約333万人が利用。夏に向けて風物詩のハモ料理のプランを用意し、名所・淡路をPRしている。(津谷治英)
全国の国立・国定公園内に35カ所のリゾートホテルを運営する休暇村の1拠点として、1963年4月に創設。明石海峡大橋が開通した98年は過去最高の約8万4千人の来客を記録した。2006年にリニューアルし、現在は年間約6万6千人を迎えている。
屋上に口径400ミリの反射望遠鏡を備えた観測施設があり、夜の天文観察会は好評だ。街の明かりのない丘の上にあるため夜空がくっきり見える。「天文観測ができるホテル」とネット上で話題にもなった。
夏は天の川やひこ星で知られるアルタイル、夏の大三角などが観賞できる。星空案内人の中野寿(ひさし)さん(44)は「月のクレーターは年間を通じて見られる。みなさん明るく、迫力ある地形に感動されます」と話す。
看板グルメは、夏のハモ、冬の淡路島3年とらふぐに加え、タイや淡路ビーフは年中味わえる。国内各地の勤務経験がある和田慎一総支配人(61)は「いつ来てもおいしい魚がある。こんな地域は珍しい。日本の財産と思う」と話す。当初は兵庫、大阪など関西からの客が中心だったが、近年は関東からも。「神戸空港の国際化もある。海外に淡路のよさを伝えていきたい」と誓っていた。
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淡路島のハモは、はえ縄漁で1匹ずつ漁獲するため、傷がないことから「べっぴん鱧(はも)」と呼ばれる。淡路島各地の宿泊施設で味わえる。休暇村南淡路ははもすき鍋、天ぷら、湯引きなどが味わえる「はも三昧(ざんまい)」コースを用意。1泊2食で1万9400円など。