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 よく行くコンビニのそばにあって、ほぼ毎日目にする。

 南あわじ市八木新庄にある淡路人形浄瑠璃のモニュメント。1999年に旧三原町の観光協会が造った。題材は「戎舞」。等身大のえびす様と3人の人形遣いが、松の木の下でこちらを向いている。

 気になるのは「黒子」にまつわるうわさだ。淡路人形座の座員がモデルになっており、座の関係者なら誰かを言い当てられるそう。

 そもそも3人の区別すらつかない。「分かりますよ。たたずまいというのでしょうか」と座員の吉田廣の助さん(52)。実は自身も「左遣い」のモデルだといい「恥ずかしいです」と照れ笑いする。

 淡路人形座が発足して今年で60年。座員の心と技が、人形に命を宿す。その伝統は町にも息づいている。(劉 楓音)